いぬびと 〜犬と暮らす人たち〜 #15 Minaさん後編

           

いぬびとは、犬と暮らす人たちの個性あふれる日常のヒトコマを紹介します。犬と暮らす家族の数だけ、犬と人の暮らし方があります。でもそんな皆さんに共通することは、犬が大好きな人たちの日常は犬たちへの愛で溢れているということ。犬好きによる 犬好きのための 犬愛溢れるインタビュー。第15回は、キプロス島から保護した雑種犬(セサミ)と共に、イギリスで暮らすいぬびとMinaさんをご紹介します。後編では、イギリスの保護事情やMinaさん家族とセサミとの出会いとその想いをお伺いしました。

enkara:「イギリスの保護犬や保護事情について教えてください」
Mina:「イギリスでは保護犬を飼っている人がとても多い印象です。
普段、私たちが公園などで出会う犬の半数程がセサミのような保護犬で、かつ雑種犬です。
国や自治体の支援のもと、積極的に保護、譲渡、啓蒙をしている大きな団体や、ボランティア団体が数多くあり、犬を飼う時の第一候補が保護犬という人が私たちの周りにはとても多いです。
イギリスでは、動物福祉のもとにペットショップなどでの犬猫の販売は禁止されていますので、衝動買いなどで簡単に買うことが出来ないというのもその一因かと思います。
ただ、日本と大きく異なることは繁殖引退犬として新しい家族を探す保護犬をほとんど見かけないことです。」
enkara:「日本は、飼えなくなった犬を行政で管理する動物愛護センターがありますが、行政運営のシェルターやティアハイムのような仕組みや団体などはありませんか?」
Mina:「イギリスでも行政運営のシェルターがあり、保護、譲渡を行っています。ドイツのようなティアハイムはありませんので、残念ながらやむ終えない殺処分は行われています。」
enkara:「セサミちゃんはどのように家族になりましたか?そして、なぜそれを選択したのですか?」
Mina:「私たちが犬を飼う際の第一候補は保護犬でした。
仕事関係で元々知っていた犬の保護団体があり、そのホームページで飼い主を探している各犬のストーリーを読むうちに、『どの犬でも良いから助けたい!』と思い、申し込みをしたのがきっかけです。私たちからの条件は<中型犬以下で、できればおとなしい犬>とだけ提示しました。
力の強い大型犬だと散歩や躾を私がちゃんとできる自信がないこと、また将来、事故や病気で介護が必要になった場合、私1人で持ち上げたり運んだりする自信がないこと、そしてもしも私たちに子どもが出来た場合に優しく遊んでくれる犬が良いという理由でその条件を希望しました。その他、年齢や犬種は特にこだわりませんでした。むしろ落ち着いた成犬の方が良いのでは、と思っていましたし、保護団体からも、仔犬は成犬になってからの性格や素質が予測できない為、私たちは勧められませんでした。
その保護団体はイギリス国内だけでなく、野良犬が多く動物福祉が整っていない海外の国々にも提携しているシェルターを運営しており、私たちは最終的にキプロス島で野良犬だったセサミをお勧めしてもらい受け入れる事になりました。
保護団体の見極めは大正解で、セサミは私たちにピッタリの犬でした!」
enkara:「犬と暮らす日常の中で大切にしていることは?」
Mina:「セサミが幸せで健康的な毎日を過ごせる環境を整えることが第一です。
私が在宅ワークな事もあり、お留守番はなるべくさせないようにしています。
公共の場へ行く時はマナーを大切にして、他の人も犬も気持ちよく過ごせるように心がけています。」
enkara:「セサミちゃんと共に暮らす中で、一番思い出に残っていることを教えてください。」
Mina:「セサミを迎えに行き、初めて対面した時のワクワク感と緊張感は忘れられません。
訳も分からず飛行機に乗ってイギリスに来たセサミにとって、新しい環境はとても怖かったと思います。
最初の1週間は屋外が怖く、私たちにくっついて動けませんでした。
でも段々と自信がつき、しっぽがピンと上がって散歩が出来るようになった姿を見たとき、本当に嬉しかったです。
セサミは元々人間が大好きで、公園へ行くと色々な人に寄って行って撫でてもらいます笑
キプロス島のシェルターで可愛がってもらっていたか、野良犬時代に人から食べ物をもらっていたのかもしれませんね。」
Minaさんにとって“犬“とは?
愛し守るべき命

「私たちからの条件は<中型犬以下で、できればおとなしい犬>とだけ提示しました。」今回様々なメッセージが私の心に届きましたが、Minaさんからいただいたこのメッセージから、日本の方へ大切なことをお話できたらと思います。
日本人が犬を迎える時、そのほとんどは”犬種で考えること”が多いと感じます。その犬種が実際にその人に合うかどうかは別として、そのこと自体は大切に尊重すべき気持ちです。でも、例えば「トイプードルを迎えたい!」と考えた時、その条件は<毛色・不自然なサイズ・性別>であることがあまりにも多く、連携する様々な問題を生んでいます。端的にお伝えすると、その条件を実現するために偏った交配が行われるだけでなく、迎えた後も犬との関係性に歪みや無理が生じます。
今回、Minaさんのお話をお伺いする中で、家族となる犬を迎える時、その暮らしを想像し、その家族に合う<性格・資質>の犬を迎えようと考えることができたなら____それを受け入れることができたなら、すべてのことがHAPPYに繋がると感じました。Minaさん、貴重な気づきをありがとうございました。

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VISION「私たちは循環する社会の仕組みを創る」

今までの犬と暮らす当たり前や固定概念にとらわれず、新しい情報や価値観を知ることで気づきを得るために、様々な情報発信や活動をします。最終目標として掲げる「循環する社会の仕組みを創ること」を実現するため、ミッションとして、“犬を知る“をアップデートし、より豊かな関わりで犬と人が本質的に繋がり、共に生きる姿を提案します。私たちは、循環サイクルの中でその未来を創造し実現できることを強く願いビジネスを営む社会を目指します。

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