【ペット栄養管理士コラム】本当に犬に人の食べものはダメなのか?

“All food is dog food.”(全ての食材は犬の食事です)
犬と暮らす人なら、「え?」っていう言葉ですよね。
長年犬の食事に関わってきましたが、「犬に人の食べものはダメなんでしょ?」とよく聞かれます。誰が言い出したかは分かりませんが、多くのドッグオーナーが盲目的に信じている事柄の上位ではないでしょうか?
では、その理由を説明できますか?
塩分が多い。ドッグフードを食べなくなる。身体に悪い。などなど・・・
どれも正しいようだけど正解ではありません。

食に対する犬の特性

話を進める前に、まず犬と猫の食性について確認しましょう。
ネコ科のどうぶつは狩りをします。自分が必要とする栄養(食べ物)を自分が狩りをして得る生きものです。その根拠に、今でも猫は自由給餌(置き餌)でフードを与えることが出来ます。基本的に猫は、必要になったときにフードを食べることが出来るため、決して食べ過ぎることはありません。(たまにはいるけどね)

対して犬はどうでしょうか?犬に自由給餌をしたらどうなるか?
きっとフードを置いても置いてもなくなります。全部食べてしまいます。
イヌ科のどうぶつは基本的に狩りをしません。他の動物の食べ残しや死骸を食べます。狩りをしないので、食べものを見つけたら食べます。次にいつ食べものに出会えるか分からないので、とにかく食べます。何なら少々腐ったものも食べますし、もともと腐ったものも食べられる消化システムを持っています。
満腹感はあるかも知れませんが、満腹中枢はありません。

だから全てとは言いませんが、好き嫌いをする猫は、それは猫の習性です。猫は好きなもの、必要なものを自分で採って食べるどうぶつです。
逆に、好き嫌いをする犬は大体の場合、飼い主の飼育に問題があることが多いです。
「うちの犬バカだから・・・」は大体飼い主の無知が原因で、好き嫌いについても、犬の場合はほとんど飼い主に問題があることが多いです。

犬の食事は”水とドッグフードだけ”で大丈夫なのか?

話を元に戻します。
もし、あなたの家族に毎日毎食カレーライスを食べさせたら家族は何て言うでしょうか?
そしてその食事で家族の健康を維持できるでしょうか?
人間は日々様々なものを食べることで栄養バランスを保っています。逆に同じものを食べ続けることは、栄養の偏りを招く危険が大きくなります。

それでは犬は?
毎日ドッグフードと水だけで大丈夫ですか?
一応、ドッグフードを売る私の立場からしたら、大丈夫ですよ。と言いますが、全ての犬に大丈夫だとは言い切れません。ドッグフードは万能ではないのです。食べる犬もそれぞれに個体差があり環境も違えば体調も違います。
ネット上で評判が良いフードと、愛犬にマッチするフードは別です。
誰かに勧められたフードと、愛犬にマッチするフードも別です。
理想的な食事は、より多くの食材をバランスよく摂取できる食事です。1食単位で実践することが難しければ、1週間、1か月単位のスケールで考えれば良いのです。

犬の食材として避けるべきもの

人間には大丈夫でも、犬にはダメな食材もあります。犬には大丈夫でも、猫にはダメな食材もあります。もちろんその逆もあります。
ダメな食材と適切な調理法のポイントさえ押さえておけば、全ての食材はドッグフードとして活用できます。
塩分を積極的に与える必要はありませんが、目くじら立てて避ける必要はありません。
ドッグフードを食べなくなる心配は、飼い主さん次第です。決して食べものが原因ではありません。そもそも身体に悪い食材はありません。悪いのは過剰摂取とアンバランスです。何事もほどほどが大切です。

以下に犬の食材として避けるべきものを書いておきますので参考にしてください。

アボカド、アルコール類、加熱調理した骨、チョコレート、コーヒー、干しブドウ、果物の種、ニンニク、ブドウ、マカデミアナッツ、玉ねぎ、お茶、キシリトール、生卵

最後に、良い食材だとしても、食事を食卓で与えることは避けてくださいね。
そして、食べ過ぎ、与えすぎは注意です。
犬は、最近ちょっと太ってきたから~と言って自分で食べ物の調整を行えません。
「野菜を食べたいな。」と言って買い物にも行けません。
全ては飼い主に委ねられているのです。