「犬との暮らしを考えた時にTYPE2動物愛護センター」の記事を書くためにリサーチ中、驚愕の事実を知りました。
それは…あまりにも「犬の迷子」が多いということ。
現状、全国の動物愛護センターで捕獲管理した犬のなんと約1/3が迷子で飼い主へ返還されています。うちの犬は大丈夫!?愛犬が迷子になったら…決して他人事ではない迷子について、大切な家族を守るために飼い主としてできることを今回は考えてみたいと思います。
年間どのくらいの犬が迷子になっているの?
平成30年度、環境省の統計によると所有者不明で保健所や愛護センターに保護された犬は31,809頭。この内、飼い主へ返還された犬は11,338頭でした。
返還された犬は、飼い主が迎えにきたことで無事に自宅へ帰ることが出来たとはいえ間違いなく“迷子犬“だったことがこの数値から分かります。
その数は、全国のセンターが捕獲管理した犬の約1/3。
下記表の通り、引取り数・返還数ともに年々その数は減少傾向にありますが、年間1万頭を超える犬が現実として迷子になっているのです。
そして、この数値はあくまでも迷子になった犬が無事に捕獲、保護され生きて自宅に戻った数に過ぎません。事故に遭ってしまったり、そのまま見つからなかったり…そういった犬の数はこの数値には入っておらず、この数値よりももっと多くの犬たちが実際に迷子になっていることが分かります。
因みに東京都では、平成30年度113頭の犬が飼い主へ返還されています。その数は決して少なくはなく、他人事ではないのではないでしょうか。
愛犬を迷子にしないためにできる3つのこと
犬は大切な家族の一員であると同時に、人間ではなく動物です。怖いと感じたり、驚いたりパニックになった時は人間以上に本能に従い行動します。人間ですらパニックに陥ると普段とは違う行動をとることがあります。どんなに飼い主との間に信頼関係が築けていても、緊急時、どのような行動に出るかは分かりません。「うちの子に限って」「うちの子は呼べば必ず来る」「絶対に側を離れない」などはよく聞くフレーズですが、自然災害同様に突然起こり得るシチュエーションにおいて、「絶対」や「必ず」が通用しないことがあると認識しておくことが大切です。
また、加齢による犬の認識力の低下も忘れてはいけません。
それでは迷子にしないために私たち飼い主ができることには、どのようなことがあるでしょう。
1.ノーリードにしない
犬にリードを繋ぐことは、犬と手を繋ぐことと同じです。
車や人通りの多い公道をノーリードで歩かせる飼い主は少ないと思いますが、公園や河川敷など、解放感のある場所で愛犬を遊ばせてあげたいとリードを外してしまう方は少なくありません。のびのび走る犬を見るのは飼い主として嬉しいものです。でも、ドッグラン等の決められた場所でない限り、ノーリードは止めましょう。
ノーリードは迷子の原因を作るだけではなく、犬たちの未来も変えてしまいます。私たち飼い主のモラルの向上は、犬の社会的地位の向上に繋がっています。将来、多くの公園で犬と遊べるようになるのか、犬の立入禁止となる公園が増えてしまうのか、全ては今、犬と共に生きる私たち愛犬家のモラルに委ねられています。
〈 東京都ドッグラン情報 〉
▶︎代々木公園
▶︎城北中央公園
▶︎水元公園
▶︎木場公園
▶︎駒沢オリンピック公園
2.マイクロチップ+犬鑑札、迷子札をつける
マイクロチップと合わせて「犬鑑札」を必ず犬につけましょう。飼い犬として犬の登録をした際には「犬鑑札」、狂犬病予防注射の接種を受けた際には「注射済票」が交付されます。この鑑札と注射済票を犬の身につけることは、狂犬病予防法で定められている飼い主の義務です。鑑札には登録番号が記載されており、保健所や愛護センターなどに収容された際は、装着されている犬鑑札から飼い主の元に戻すことができます。
また、飼い主の在宅・留守中問わず不意に飛び出してしまうことを想定し、家の中でも迷子札を常に身につけることは非常に有効です。何より、犬鑑札や迷子札は万が一の災害時にも安心です。
最近は、首輪型やネームタグ型など多くのペットウェアラブルも発売されています。
仮想フェンス設定をしておくことで、ペットが事前定義された安全なエリアを離れた場合にリアルタイムで通知するものなど、GPS追跡や動作認識をリアルタイムで受信できるGPSトラッカーも数多く発売されています。様々な選択肢の中からその犬と家族に合う形を組み合わせ取り入れてください。
3.脱走防止策を考える
普段はリラックスできている自宅内でも、台風や暴風雨、花火など非日常的なことが起きた際はパニックになり逃げ出してしまう可能性も考えられます。ケージの不具合や玄関までの経路、わずかな窓の隙間など危険な箇所はないか、今一度見直してみましょう。
日常使う首輪やハーネスのサイズが合っているか、リードの金具は問題無いか定期的なチェックも大切です!
また、コンビニやスーパーなどで犬を外に繋いで放置することは絶対にやめましょう。飼い主の目が離れたところで、リードが外れるなど、愛犬が様々な危険に晒される可能性大です。家族で様々なシチュエーションを話し合い、安心できる環境と生活を整えましょう。
もしも愛犬を迷子にしてしまったら
どんなに気を付けていても、愛犬を迷子にしてしまう可能性は誰しもにあります。その際は保健所または動物福祉事務所、動物愛護センター、警察署などへの連絡が必要です。自宅の管轄内だけではなく、近隣の保健所や動物愛護センターなどにも連絡しましょう。各連絡先は環境省のサイトで確認できます。
旅行中や遠方など外出先での迷子もよく起きるシュチュエーションの1つです。
その場合は、迷子になってしまった地域の管轄にコンタクトしておくことが重要です。
まとめ
最近では迷子犬の掲示板やアプリなどの様々なツールや迷子探偵などのサービスもありますが、万が一愛犬が迷子になってしまった時に無事に自宅に戻れるかどうかは、日頃から飼い主が対策を講じているかどうかに大きく関係してきます。
迷子のきっかけは、そのほとんどが人の不注意によるものです。「うちの子に限って」という考えが危険であることを認識し、そもそも迷子にならないように飼い主として十分に責任と意識を持って愛犬の日常を守っていきたいですね。
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