【ドックライフコーチ小園恵子】犬の問題行動を解決するたった3つの方法

犬の行動を変えるのは飼い主さんの理解と知識、そして愛情。犬の心理と心の状態を伝えることを大切に、出張相談、ドッグホテル、いぬのようちえん、ドッグリトリートを行うドッグライフコーチ小園恵子(MagicalDog)が答える「犬の問題行動解決連載コラム」がスタートします!愛犬にまつわる全ての問題を紐解き解決する過程の中で、もっとパートナーと深い心の繋がりを得るためのお手伝いができれば幸いです。一緒に犬の理解をより深めていきましょう。

犬らしい犬とはどういう犬なのかを理解すること

改めて『犬』という動物とはどんな動物なのかご存知ですか?
この『犬』という動物を理解するところから本来お話しなければなりませんが、それは別の機会にしっかりとお話をすることにして、今回はまず犬らしい犬とはどういう犬のことをいうのでしょう?というお話から始めさせていただきます。

人はよく、「~らしい」という言葉を使います。
・子どもらしい
・大人らしい
・男らしい
・女らしいなどなど。
それぞれに合った立ち振る舞いや所作、表情などで「らしい~」はあるようです。では、本題に戻りますが「犬らしい」とは?
犬たちの祖先は狼。
狼はもともと、単独で狩りをして暮らしていましたが、単独で暮らしながら生き残っていくためには、不都合がたくさんありました。単独では自分の命を守ることで精一杯。種の保存まで手が回らないということが自然界ではとても多かったのです。
種の保存とは、オスとメスがいて子どもが産まれ、メスは子どもを産み育てる役割を持ち、オスは子どもとメスを守るという役割が必要になります。オスはメスと子どもたちを守るためにはまず、狩りをして食べ物を持ってこなければなりません。単独で一頭のオスが、狩りをして家族を守るのはなかなか大変ですし、単独で狩りに出かけても獲物が取れない場合もあります。
そこでオオカミ達は考えました。
群れを作り、さらに群れの中で役割を作り、それぞれが役割を勤めれば、獲物を仕留める確率が格段にあがり、食べ物を手に入れられないという命の危険に晒されるリスクが減ることを思いついたのです。
その時から、狼たちは群れをなし、役割分担をし、役割を守るというルールの元に種を保存するという形を取ってきました。
その形は人間の暮らし方ととてもよく似ていて、狼から進化した犬の暮らし方は動物の中で一番人間に近いと言われています。

「犬らしい犬」とは、人間の家族に迎えられた時からその家族の中の一員としての役割を持ち、人間の生活の中に、人間と寄り添い馴染んでいる犬。
つまり、人間の家族の中のリーダーの指示に従い、ルールを守ることを教えられながら暮らす犬。それがもっとも犬らしい犬というわけです。
犬という動物の本来の暮らし方を理解することで、犬たちにとってどんな状態が快適なのかが見えてきます。

飼い主目線ではなく、犬目線になること


犬目線で犬を見るということは、次の項の人間の思い込みとの共通項がかなり多くなります。なぜなら、飼い主目線とは飼い主が良かれと思う人間が感じること、飼い主さんの思い込みと重なる部分がとても多いからです。
例えば社会化と言われるもの。

人間にもお出かけするのが大好きな人と、家の中で過ごすのが好きな人とおおよそふた通りに分かれます。
あるイベントにお試し相談として出展した時のお話です。
私たちのブースの前を通り掛かって、お話を聞かせてくださる方は、「こういうイベントに来ると吠えてしまって・・・」と相談される方がとても多くおられました。
なぜ吠えるのに連れて来られるのかと尋ねると、「イベントに行くことで、人や他の犬に慣れると思って・・・」と、これもほとんどの人がおっしゃいます。
元々人付き合いが苦手な人が、どれだけ人の中に紛れても、人馴れ出来ないのと同じで、他の人や犬たちと関わるのが元々苦手な犬もいます。
そんな特性の犬が、イベントやドッグランに出かけると、どんな心境になるでしょう。

イベントの最中、姿が見えない場所から、犬が鳴き叫ぶ声が聞こえ、だんだんその声が近づいてきました。声が聞こえてくる方向を見ると、年配の女性が小型犬を抱っこしてこちらへ向かって来る姿が見えました。あまりの鳴き声に周りの人も驚いています。
私はその女性に近寄って、「いつもこんな感じなのですか?」と尋ねると、「外に出ると嬉しくて鳴き叫ぶんです。家から出て車に乗ってからずっと嬉しくて鳴きっぱなしです。」と嬉しそうに話してくださいます。
強い緊張によるしっぽの状態や体のこわばり、目の動きを説明し、「残念ですが、この犬は家に帰りたいと訴えていますよ」とお伝えすると、「嬉しいのじゃないのですか?」とびっくり。抱かれている犬に「おうちに帰りたいこと伝えたから、今からおうちに帰ってくれるって。」そう伝えると、鳴き叫んでいた犬は、鳴き止んだのです。その様子を見た飼い主さんはすぐにイベント会場を後にしました。
イベントや外に出かけるのは楽しい。それは飼い主さん目線。
他の犬や人が苦手な犬の犬目線では全く楽しくない、むしろ連れて行かれることがとても迷惑だと感じているケースも多いのです。
これは犬との関係性だけではなく、人との関係性においても『目線』を考えることはとても大切なポイント。人とは違う感覚で犬は感じるということを考えてあげることで、犬目線に近づくことができるのではないかと思います。

人間の思い込みと犬の想いの食い違いを正すこと


飼い主さんの思い込みという点で多いのが、よくあるお留守番についてのご相談。
「ケージやキャリーの中でお留守番をさせてあげてください。」とお話しすると、
「狭いところに長時間閉じ込めてかわいそう」「自由がいいのでは?」とおっしゃる飼い主さんが大変多くいらっしゃいます。

例えば、あなたが40帖もある宴会場の真ん中にお布団を敷いて、「これからここがあなたのお家よ。ここで寝て、トイレもここにおきます。ご飯もここで食べてね。」と言われたら毎日落ち着いて眠れますか?一人でそのスペースの中で落ち着いて過ごすことができますか?私ならもっと狭い部屋を用意して欲しいとお願いします。
なぜ犬たちには大広間の宴会場が良いと思うのでしょうか?人にも、犬にもパーソナルスペース(個室)が必ず必要です。誰にも邪魔されない自分だけの空間。ここがあることで、精神的にも休まり同時に体の疲れもここで癒される。
そんな経験を感じたことはありませんか?
人間と比べると、犬たちは体も小さく同じ広さでも、人間の目線から見る部屋と、犬たちから見る部屋では景色も感覚も全く違います。
自由に歩き回るスペースがあったら自由でいいと思うのは飼い主さんの思い込み。
人間の家族ですら、一部屋に家族全員が寝起きすることは、それぞれのプライバシーを守れないことから、逆にストレスになります。
犬たちも同じで、決して広いスペースでの自由を望んでいるとは言えない場合がとても多いことを理解していただけたらと思います。
広すぎて落ち着かないことがストレスとなり、落ち着いて眠れなくなり、眠れないことから常に緊張と不安から脳が興奮状態になってしまう。
そのために、メンタルがとても不安定になっている犬がとても多いのです。

上記の例のように、人間である私たち飼い主が、良かれと思うことでも、犬たちにとってが必ずしも良いと感じるかというと、そうではないこともたくさんあります。

まとめ


昔からある『犬あるある』についてお話します。
犬についての常識や知識が変わってきた今では、通用しなくなっていることがたくさんあります。例えば、『犬は走るのが好き』という認識も、犬種によってはそうではないということも、一般の方に少しずつ広がり始めています。
また、『しっぽを振っているから嬉しい』という認識も、嬉しい時も警戒している時もしっぽは振ること。警戒している時の振り方を知らず、犬同士をむやみに近づけると、取り返しのつかないことになるということも、最近多くの愛犬家が理解し始めています。
今までの『犬あるあるによる思い込み』ではなく、本当の犬たちの姿を知り、犬の行動を理解することで、トラブルやストレスはかなり防ぐ事ができるのです。

[文/小園 恵子・構成/enkara編集部]
【プロフィール】

Magical Dogオーナー|ドックライフコーチ
小園 恵子
人生の方向性について思い悩んでいた時期に、偶然アメリカンピットブルを家族へ迎えて、犬と暮らすことを真剣に考え始めたのが11年前。本来の犬を知らないままに犬と暮らしていた結果、犬に依存してしまい、犬のメンタルを不安定にさせ、犬の問題行動を引き起こしてしまいました。犬の問題行動は、ほとんどの場合犬に問題があるのではなく、人つまり飼い主さんの行動を映し出している。という考え方を元に、自分の犬たちの問題行動を解決してきた方法を参考に、それぞれの犬の行動を見ながらその問題を飼い主さんと共に解決していく活動をしております。

〈資格・認定〉
JKC愛犬飼育管理士

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VISION「私たちは循環する社会の仕組みを創る」

今までの犬と暮らす当たり前や固定概念にとらわれず、新しい情報や価値観を知ることで気づきを得るために、様々な情報発信や活動をします。 最終目標として掲げる「循環する社会の仕組みを創ること」を実現するため、ミッションとして、“犬を知る“をアップデートし、より豊かな関わりで犬と人が本質的に繋がり、共に生きる姿を提案します。私たちは、循環サイクルの中でその未来を創造し実現できることを強く願いビジネスを営む社会を目指します。

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