《犬との暮らしを考えた時に》犬と家族になること〜家族と出会った元野犬たち〜 #1 三宅さん&蓮&柊

現在、日本には多くの野犬たちがいます。
動物愛護センターや保健所では、狂犬病予防法の観点から野犬を捕獲し、今まであまりにも多くの処分を行ってきました。ただ近年、動物愛護や福祉に重きを置き、大切な命を「家族」へ繋げていくために社会化を行い譲渡を促進する動きへ変化しています。
「保護野犬を家族へ迎えたいな」と考えている方をはじめ、「これから犬と暮らしてみたい」という方や多頭飼育を検討中の方へ___多くの日本人に届けたい保護された元野犬と暮らすご家族のインタビュー。野犬の個性や存在、様々な家族のカタチを知っていただくために連載でご紹介します。
月日の経過と共に移り変わる犬たちの表情の変化や心の変化を感じてください。野犬こそ今の日本で緊急に保護譲渡が必要な「保護犬」です。
野生で生まれた犬たちが社会で人間と家族になること。
全ての野犬たちが家族と出会い、心地よい環境のもと、生涯あたたかく過ごす未来へ繋がることを願います。
第1回は、岡山県で生まれた元野犬の蓮くん&柊くんとご家族のお話です。

SPONSORED LINK

蓮くんとの出会いについて

三宅さん:「私たちは、”雑種の成犬を保護団体から迎えたい”と思い、新しい家族の募集情報を見ることからはじめました。
はじめは写真や譲渡可能地域で探していたのですが、とある保護団体のブログを読んだ時、ずっとお付き合いをする関係がある中で、”団体の想いに共感できる事が大切” だと考え、『想いに共感するこの団体から譲り受けたい』と心に決めました。

(※写真は、うちへやってきた初日(左)と最近の蓮(右))
面会へ行ける距離にお住まいの一時預かりさんの中に蓮がいましたので、会わせていただきました。
初めて会った時、蓮は驚くほど震え怯えていましたね。
お散歩へ行き、ほんの少しだけ触れ、オヤツをあげましたが、私からは食べてくれませんでした。
でも、夫からは1つ食べてくれて大喜びだったことを覚えています。
この日、『大丈夫!いつか家族になれる』と思いましたが、一度冷静になって考えたかったので、翌日正式にお返事させて頂きました。」

犬と暮らしたいと考えたときに、なぜ野犬を選択したのか


三宅さん:「私は、子どもの頃から殺処分の話を両親から聞いていましたし、中学生の時には保健所で檻の中にいる犬たちを見て、心を痛めていました。
いつの日か犬との生活ができるようになれば、殺処分を免れた犬を迎えたいと願っていましたので、自然と野犬を迎えることになりました。
野犬を選択したというより、その想いがベースにあった上で出会った子が野犬だったという感じです。」

2頭目として柊くんを迎えようと思った理由


三宅さん:「柊は、蓮と同じ出身地の野犬です。蓮は非常に繊細で穏やかな性格ですので、明るく、人や音が平気で支配的ではない柊を選びました。
同じ出身地の保護野犬同士は、スッと打ち解けるところも理由の1つです。
最終決定を出す前に、お世話になった犬のプロの方に相談し、決断しました。
柊を迎えてから、蓮のお散歩拒否が減り、食欲も出て、感情表現が豊かになったように思います。」

蓮くんと暮らし始めて3年。今までを振り返って、どんなことを感じるのか


三宅さん:「もっと犬(野犬)の接し方を学んでおけばよかったです。
蓮が拒否をすれば『怖がっているから辞めておこう』とか『時間が解決してくれる』と自分がアクションを起こさずにいました。
私に問題がある事はわかっていたのに、何事もやっているつもりでやっていない、野犬と暮らす覚悟が甘かったんだと当時を振り返り反省しています。
当時は迷いましたが、犬のプロにお願いをし、私のトレーニングをしていただいた事が良い選択だったと思います。」

保護野犬を家族に迎えたいと考える方へメッセージ


三宅さん:「保護野犬と言っても性格は様々です。ぜひ一度会ってみてください。
人間との生活を受け入れるまで時間はかかると思います。保護野犬は可哀想や可愛いだけでは迎える事が難しいと思っています。家族全員の協力が必要です。
保護野犬は心が綺麗で素直ですので、しっかり向き合えば必ず家族になれます。
ただ、脱走には細心の注意が必要ですので、お迎え前に脱走予防について十分に調べて頂きたいと思います。
私たちは犬の初心者で、失敗も沢山しました。まだまだ成長過程ですが、今ではかけがえのない家族です。毎日、彼らから幸せをいっぱいもらっています!どうか多くの方が保護野犬のことに目を向けて頂けると嬉しいです。」

三宅さんにとって”犬と家族になること”とは?
毎日を豊かにしてくれる存在と日々生きること

編集部です。捕獲時に人間に対して恐怖や不安を感じることも多い野犬たちですが、1つ1つが新しくて、1つ1つが怖くって、でもそんな1つ1つにゆっくり向き合う家族との出会いがあれば、野犬たちはいずれ社会化を経て家庭犬として、家族として穏やかに過ごすことができる日がやってきます。
「あなたの全てをみんなが受け入れるよ。」
元野犬を家族に迎えるとき、とても大切な心構えの1つだと私は思います。
あれ?大丈夫かも。あれ?もう怖くないかも。飼い主さんがいれば大丈夫!
それぞれ個性はあれど、少しづつ心の中に変化が起き、変化してはまた戻り___でも人間が諦めずに受け止める先に、安心と信頼を感じ、確実に犬と人間のパートナーシップが築かれ、行動と関係が変化します。
犬との暮らしを考えた時に___日本で生まれ、野で育った犬たちの存在がいることを是非思い出していただけたら嬉しいです。そしてもし機会があれば、ぜひ社会化トレーニング中の元野犬たちに触れ合える機会を探していただけたらと思います。三宅さん、貴重なお話をありがとうございました。

Instagram

関連記事

野犬と聞いて皆さんはどんなイメージを持ちますか? 危険、凶暴、怖い、人馴れしない、臆病など残念ながらネガティブなものが多いかと思います。実際に今まで様々な事故や事件も起こっており、狂犬病の問題などその気持ちは根深いものです。 都心部に住[…]

関連記事

特定の地域で爆発的に増える野犬たち。 でもその場所は、実は特別な地域ではなく、極めて一般的な住宅街であることも多く、「なぜこんなにまで増えてしまうのか、それって何が理由なのか?」そう考える方も多いかと思います。野犬が急速に広がるその理由は[…]

関連記事

犬と暮らしていると「どこから迎えたの?」という愛犬家同士の会話は日常的です。その答えは、ペットショップ、ブリーダー、保護団体、愛護センター、友人から・・・など様々です。でも、そのもっと先、ペットショップ、保護団体、愛護センター、友人[…]

enkara サポーター制度

\enkara最新情報をチェック!/
>VISION「私たちは循環する社会の仕組みを創る」

VISION「私たちは循環する社会の仕組みを創る」

今までの犬と暮らす当たり前や固定概念にとらわれず、新しい情報や価値観を知ることで気づきを得るために、様々な情報発信や活動をします。 最終目標として掲げる「循環する社会の仕組みを創ること」を実現するため、ミッションとして、“犬を知る“をアップデートし、より豊かな関わりで犬と人が本質的に繋がり、共に生きる姿を提案します。私たちは、循環サイクルの中でその未来を創造し実現できることを強く願いビジネスを営む社会を目指します。

CTR IMG