
”先月、「散歩中に飼い犬が何かを食べてけいれんを起こした」と神奈川県逗子市内に住む夫婦から神奈川県警逗子署に届けがあり、その後の調べで、現場周辺の7ヶ所の路上で異物とみられるものが付着したドッグトリーツが見つかった。その他、神奈川県内では犬猫に対する虐待が疑われる事例が相次いでいる。”
何が目的なのか現時点では分からないし、ターゲットは犬ではないのかもしれません。ただ、被害に遭ってしまった犬がいるのも事実。この問題に対して、「どうしてこんなことをするんだ!」と憤慨しても寧ろ事態は悪化、被害は広がる恐れすらあります。その理由は、犬嫌いは世界中にいるから____今回は視点を少し変えて、「犬が嫌い!」というその思いについて想像力を働かせていきたいと思います。
犬が嫌い。
その気持ちは、道ゆく犬を見かけるだけで幸せになる愛犬家の私たちには想像すらできないかもしれません。でも物事には必ず両側面があって、犬に対して無関心又は嫌悪感を抱いている人たちもいます。きっとコラムを読んでいただいているあなたにも、嫌いな”何か”はあるはずです。
犬嫌いにもいくつかのパターンがあります。例えば、犬を迎えた結果ノイローゼになってしまい自分の愛犬と深い溝を感じているケース、その場合は犬を迎えようと思った背景もあり、元々犬が好きだったはずです。ただ、犬という存在に対しイメージとは異なる現象が自分に起こってしまったことや真面目な性格が寄与して心が閉鎖してしまった状態だと考えられます。
犬を迎える時に重要なことは、犬は犬だという認識。家族であるのは大前提ですが、人間ではない異種と暮らす学びと覚悟が必要です。このケースの犬嫌いに寄り添うとしたら、トレーニングやカウンセリングが有効です。間違っても愛犬家同士で解決しようとしないでください。専門家が見極め、時には程よい距離感を作ることも必要です。
過去にトラウマがあるが故に犬が怖い、苦手というケースの場合、その問題を作ってしまったのは残念ながら何処かの飼い主です。私自身も以前愛犬と散歩中にノーリードの中型犬に襲われ、愛犬を守るために出した手に噛みつかれたことで、今でも手の甲に牙の跡が残っています。犬が好きな私でも、それ以降暫くノーリードの犬に恐怖を感じました。噛みつかれないまでも、吠えられたり、勢いよく向かってきたり、そんな経験をした方はその後、他の犬によって傷が癒されない限りトラウマは簡単には消えません。
自宅周辺で排泄をするといった迷惑行為も、住民の方から嫌がられることは容易に考えられます。散歩は、排泄するためではなく、屋外運動です。排泄の際には、言うまでもなく場所や回数、後片付けが重要です。また、マーキングについてはコントロールすることで、『ありとあらゆる場所に排尿するという迷惑行為』はやめさせることができます。コントロールする術は専門家に相談又は、マナーアイテムを使用しましょう。個人的には放置糞に対するイエローカード作戦は、その光景を見た多くの方が不快に感じるためデメリットの方が多く、あまり良い方法だとは思えません。何より、犬たちが愛される社会を飼い主自身がつくるという行為からかけ離れた世界観のため、代替え案を思案中です。
レストランやカフェ、宿泊施設など、最近犬と一緒に入れる場所も増えてきました。でも、みなさん経験したことがある「苦手な方もいるのでご遠慮ください」の忠告ワード。
なぜ、苦手な方がいるのか?嫌いになった理由は、誰が作ったのか?施設側はどんなことを心配し、懸念しているのか?
「なぜいけないのか」
「家族として認め、受け入れてほしい」
「子ども同然なんです」
と社会に訴えるよりも大事なこと。犬と暮らしていない多くの人たちに犬たちが愛されるために飼い主ができることを一人一人が考えて行動しませんか?
ご存知の通り、犬は本当に美しい心を持った真っ直ぐで愛情豊かな可愛くて優しい生きものです。その犬たちが愛されることは、愛犬家にとってこの上ない幸せです。多くの人間がそのことを知り、バディと出会えたらいいなと思います。だからこそ、誰かが犬嫌いになってしまう場面を減らす努力をしましょう。犬が苦手な人がいることを心に留め、ポジティブな配慮を大切に犬との日常を楽しみませんか?
いずれにしても、公道に毒を撒くという行為は許されることではありません。今回の事件で被害に遭ってしまった犬たちの身体と心の快復を祈ります。
▶︎有効手段として「PloggingDogアクション」をおすすめします!犬たちが愛される社会を飼い主みんなで築きましょう!( WEB )
参考:
東京新聞「路上に針やくぎ刺したエサ 神奈川県内で犬が食べてけが 猫の不審死も 住民「目的分からず怖い」」
井手 香織
プロギングドッグアクション活動を通して犬と暮らすスキルを身に着け、常にアップデートしたい方!犬たちが地域社会から愛される…