enkara編集長コラムvol.02 健康を最大のニーズにできるか

           

犬との暮らしを考えた時、今 あなたならどんな選択をしますか?

現状、日本では50%以上の人たちがペットショップから犬を迎え入れていると言われています。インターネットから迎えた30%を足すと、約80%の人たちがペットショップやインターネットから犬を迎え入れているというのが今の日本です。年代別に見ていくと、20〜50代は上記同様の傾向にあり、60代になると友人知人からもらった、ブリーダーから直接購入など多少分散しますが、それでも全体の40%以上はペットショップからの購入です。また、売れ残り、繁殖引退犬など商用利用された余剰犬や保護野犬を保護団体から保護犬として家族に迎える方は、全体の約5%とされています。(※ペットフード協会リサーチ「令和3年 全国犬猫飼育実態調査」より)

そもそも犬と暮らしたいと考えた時、ほとんどの方は「犬種」希望があります。

実際enkaraにも、「ダックスが飼いたいのですが、良いブリーダーさん知っていますか?」など単犬種指定でご相談を受けることが多く、”犬”と暮らしたいのではなく、”希望犬種”と暮らしたいという気持ちがベースにあると感じています。また、だからと言って「ペットショップから迎えた」という人に会う機会は近年ほとんどなく、”インターネットで探した繁殖業者から直接迎える人が増えている傾向にある”と推測しています。(ブリーダーマッチングサイト的なものですね)

繁殖業者は、本来ペットオークションに出品していた仔犬を消費者へ直接売買する直売スタイルへシフトしているので、仲介手数料が無くなり利益率は上昇しています。消費者としても、ペットショップで買うのは「良くない」「高い」などネガティブな情報が蔓延しているので、繁殖業者と消費者にとってwin-winな形として今後もこの流れは加速し、一般的になると感じています。

ペットショップというリアル店舗で犬を迎えるという流れがそもそも減速傾向となり、犬と暮らしたいと考えた時にブリーダー(繁殖業者)を探すという行動が一般的になる日もそう遠くはないと思います。

ただ、そこで問題になることは、ブリーダー(繁殖業者)の質です。

犬とはじめて暮らす人たちもインターネットで犬を探すことになるため、その質の見極めは非常に困難だと感じざるを得ません。どんなことでも同じですが、購入する対象を熟考せず「なんとなく良さそう」「費用が安い」「親犬が可愛い」「小さい」というブランディングに煽られて決めてしまうことはあまりにも危険です。それが日用品ならまだしも、15年以上共にする家族との出会いを素人判断で決めることは勧められません。信頼のおけるブリーダーであれば、適正なアドバイスを期待できますが、登録料無料のブリーダーマッチングサイト的なもので価値ある出会いを探せるか正直不安です。(かといって、良質なブリーダーの場合、誰しもがその犬舎から犬を迎えられませんが)

ーーー生涯、その個体が健康だと言えるか。

何よりその点が、犬と愉快に暮らすために極めて重要だと考えます。言い替えるならば、犬の生涯を考えた時、そこを目指す必要があると思います。

本来、繁殖とはそういうものであり、その覚悟の上で学びを深め、プライドを持って命を生み出す人たちもいます。

直売が加速する今、消費者の声はますます影響力が強くなります。犬と暮らす消費者自身が”健康”を重要視するからこそ、繁殖業者であっても結果、容姿ではなく健康に重きを置く必要に迫られることを忘れてはいけません。諦めたらそこで試合終了とはよく言ったもので、愛犬家たちが諦めたら多くの犬たちの健康的な未来はその時点で終了します。

今、犬業界ではさまざまな問題がありますが、未来を考え、感情ではなく1つづつ意味ある問いかけを広げていきましょう。

なぜならば、人間は考える葦だから____

enkara編集長
井手 香織
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今までの犬と暮らす当たり前や固定概念にとらわれず、新しい情報や価値観を知ることで気づきを得るために、様々な情報発信や活動をします。最終目標として掲げる「循環する社会の仕組みを創ること」を実現するため、ミッションとして、“犬を知る“をアップデートし、より豊かな関わりで犬と人が本質的に繋がり、共に生きる姿を提案します。私たちは、循環サイクルの中でその未来を創造し実現できることを強く願いビジネスを営む社会を目指します。

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