【犬の葬儀を考える】愛犬に今までの感謝を伝える”最期の時間”〜私たち家族の選択と体験〜

犬と暮らす幸せな日々の先に待つ”最期の時間”
命が永遠ではないということは分かっていても、当然のことながら、心は追いついていかないものだと思います。
先月愛犬を亡くした私たち家族の心境も正にこの通りでした。
今回は”最期の時間”について、私たち家族の選択と体験を交えてお話したいと思います。

私たち家族に訪れた”その時”

Mダックスのチュラは、とにかくやんちゃで元気いっぱいの男の子。
事情があり1歳の頃、前の飼い主から譲渡を受け、我が家の家族になりました。
数年後、チュラより年上のおばあちゃんダックスのりんを家族に迎えた時は、優しく接することのできる紳士な一面も。人にも犬にも誰からも愛される、本当に愛おしい存在でした。
そんなチュラに、3年ほど前とある疾患が見つかり、獣医師からは、血栓ができやすく、突然死もあり得ると説明は受けてはいましたが、幸い発見後も特に目立った症状は出ず、いつも通りのやんちゃで元気なチュラでした。

でもある朝、別れは突然訪れました。
私たち夫婦の目の前で、余りにもあっという間の出来事でした。
呆然としながらも、恐れていた血栓による突然死なんだということは、素人ながらにも理解はできました。後悔や申し訳なさ、辛く悲しいという感情だけが心を支配し、身動きのとれない苦しい時間が永遠に続きそうな感覚。
しかし不思議なことに、まだ温かなその体に触れていると、チュラの楽しそうな顔、嬉しそうな顔、たくさんの可愛い顔、それを見て喜んでいる私の気持ちだけが、次々と思い浮かび、
「あぁ、私たちはチュラと一緒にいられて間違いなく幸せだったんだ」
あたり前のことですが、心の底からそう実感しました。
チュラと共に過ごした日々が、私たちに犬との暮らしがこんなにも幸せなものだと教えてくれたのです。
感謝の気持ちと敬意を持って、しっかりと見送り、送り出したいと強く思い、
そこでようやく、私たちは”最期の時間”について考え始めました。

ペットの葬儀社の種類とできること

現在は弔いの気持ちから、火葬をし祀る、というのが一般的です。
ペットの葬儀社は全国各地にあり、葬儀社によって行う業務内容に違いはありますが、概ね次のような流れです。

1.葬儀

自宅または葬儀場にて祭壇を設置し読経してくれる本格的な葬儀から、家族の意向に沿ったものまで様々です。葬儀社によっては、葬儀そのものを行わない場合もあり、葬儀を希望する際は事前確認が必要です。

2.火葬

火葬炉の設備のある葬儀社と、移動火葬車で火葬する葬儀社、または両方の設備がある葬儀社があります。いずれの葬儀社であっても、火葬については更に下記のように分かれます。

〇合同火葬 … 他家のペットと一緒に火葬します。遺骨が混ざってしまうので返骨はできません。火葬後は動物供養塔などに合同埋葬されることが一般的です。

〇一任個別火葬 … 葬儀社へ火葬と収骨を一任するため、立会いはできませんが、単独で個別に火葬します。返骨もできることが多いです。

〇立会個別火葬 … 単独で個別での火葬に立合うことができるため、お骨上げまですることができます。

3.納骨/供養

火葬後、ペット霊園や寺院内の施設などへ納骨できる場合もあります。提携施設がある場合もあるため葬儀社へ相談してみるのも良いでしょう。
また、自宅の敷地内など思い出深い場所へ、火葬後、埋葬する方法もあります。

移動火葬車での火葬を行っている葬儀社は近年多く、自宅や好きだった散歩コースなど、所縁のある場所から愛犬を見送ることができるというのは嬉しい点です。
私たちは自宅が住宅街のため、あまり馴染みのない場所まで行かないと火葬できなかったこともあり、火葬炉の設備がある葬儀社にお願いすることにしました。
また、納骨の場所や時期も含めてゆっくり時間をかけて考えたかったことから、返骨できるプランは絶対条件でした。さらに、後悔が残らないようお骨上げもしたかったので、最終的に「立会個別火葬」を選択しました。

いよいよ最期の時間

チュラのベッドから棺としての箱に移し、私の使っていたバスタオルを敷き、主人のフェイスタオルを枕にし、沢山のお花とごはん、おやつ、大好きだったマグロとジャガイモ、果物を入れて送り出す準備を整えました。
火葬場の中に入ると、ピンと張りつめた厳かな空気です。
葬儀社の方々が皆チュラに敬意を払って下さっているのを感じ、大切に扱って頂きました。
フワフワの美しい茶色の毛並み、可愛くて可愛くて仕方なかった顔も手足も、愛くるしいその全てと本当にお別れする時がきました。
チュラの耳元で、伝えたかった全ての言葉を伝えることができました。

火葬炉のすぐ隣には休憩できる部屋もありましたが、私たちは外へ出て空を見ながら待ちました。
本当に綺麗な青空で、この空を上っていくのかなぁ。と考えながら。
1時間を少し過ぎたころに、お骨上げのため呼ばれました。
担当の方に、全ての骨について事細かく説明して頂き、本当に丁寧に丁寧に骨壺へ収めて下さいました。
珍しい骨がありましたと言われ見てみると、魚の骨ほどの小さな細い骨を指し、尻尾の1番先端の骨ですよと言われとても驚きました。
通常だと余りに小さい骨のため、ほとんどは炉の熱で崩れてしまうそうです。
こんなにも小さな骨を見逃さず説明して頂けたことで、私たちはどんなに救われた気持ちになったか計り知れません。

誤解を恐れず言うならば、
私たちにとってその日、”最期の時間”はとても幸せな時間でした。
寂しいときや悲しいとき、泣くことは悪いことではありません。
でも後悔や申し訳なさ、怖くてたまらなかった倒れた時の記憶だけに囚われ悲しみに打ちひしがれるよりも、チュラがくれた10年の宝物のような幸せな時間を尊重していきたい。
そう思わせてくれたのは、きっと”最期の時間”がチュラと私たちにとってあたたかな思い出の一つになったからだと感じています。
きっとこの先も胸が締め付けられる瞬間はあると思います。
でもきっとそんな時は、綺麗な青空と、間違いなく幸せだった愛すべき日々を思い出していけると信じています。


愛犬との別れは辛いものですが、”最期の時間”を考えることは、決してネガティブなことではありません。
私たちは今回、時間的にも精神的にも余裕がない状況下での選択でしたが、とても満足しています。でもそれは運が良かっただけかもしれません。
犬の種類や地域の特性、家庭環境など、人それぞれに考慮しなければならない点があるかと思います。
いつか必ず訪れるその時に、少しでも後悔を残さず、最善の選択をし、感謝を伝えることができるように今からその時へ向けての備えをしていただけたらと思います。
年の暮れだからこそ、改めて向き合い愛する犬たちを想う時間となりますように。

【全国版:葬儀霊園検索】
火葬炉と納骨や供養する施設を自己所有、管理運営している会員葬儀社のみ入会可能な霊園協会。

▷一般社団法人 日本動物葬儀霊園協会

▷一般社団法人 全国ペット霊園協会