【犬のデンタルケア連載4】大嫌いだった歯みがきが “驚くほど好きになる” 歯みがきトレーニング

           

犬のデンタルケア連載、最終回。第4回目は、いよいよ「歯みがきトレーニング」のお話です。歯ブラシを使って「無理なく、楽しく、頑張らず」ブラッシングをしましょう!歯ブラシを使った歯みがきは、犬によってはすぐ受け入れることは難しいかもしれません。でも大丈夫です!何より愛犬の目線と気持ちを大切に、飼い主さんも愛犬も無理のないペースでコツコツと進めましょう。「磨けている」から「楽しく磨き続ける」へアップデート!〈PR〉

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歯みがきトレーニングをスタートする前に

まずはおさらいです。前回までに、犬の口腔内のメカニズムを学び、ドッグトレーナー監修による「犬の歯みがきを始める前に習得したい」基本トレーニングを取り入れ、「愛犬に合う歯ブラシ」を選択いただきました。
今までの情報をスキップして今回の情報を読み、急にお手持ちの歯ブラシを使って歯みがきトレーニングのステップに進むことはお勧めしません。その理由は3つ。

1. 犬の歯について知ることが大切だから
2. 歯みがきをはじめる”前段階のトレーニング”が不可欠だから
3. 愛犬に合う歯ブラシを選択することが重要だから

急いで進めても、結果気持ちよく継続することは困難になります。
歯みがきトレーニングをスタートする前に、ぜひ連載第1回から愛犬と一緒にゆっくりとステップを進めてください。

改めて、3つのステップはマスターしましたか?

今までのステップから、下記の三段階はマスターされたと思います。

1. 正しい座り方
・飼い主と愛犬が向き合って「正面におすわりで座る」状態
2. 口や歯に触れる
・口に触り、唇をめくり、歯にタッチできる状態
3. 歯ブラシに慣れる
・飼い主が歯ブラシを持っていても、落ち着いて座って状況を受け入れている状態

もしご不安があれば、「歯みがきを始める前トレーニング」に戻って丁寧にステップアップしましょう。その上で、「歯みがきトレーニング」をスタートします!

歯みがき4点セットを準備

ー 用意するもの ー歯ブラシ
水を入れたコップ
小さくカットしたトリーツ
トレイ

それぞれのポイントをお伝えします。
歯ブラシは、愛犬に合わせた歯ブラシを必要に応じてご準備ください。
コップは、汚れの確認が出来るため透明のガラス製が理想です。空き瓶などを利用してもOKです!少し小さなサイズが扱いやすいでしょう。
トリーツは、小さくカットしたもの、又はトレーニングトリーツを活用してください。出して並べておくと扱いやすいです。上記3つをトレイに乗せて準備完了です!

必ず、正面でお座りスタイルの徹底

まず、歯みがきセットのトレイを飼い主の利き手側に置きます。
その上で、飼い主と愛犬が向き合って「正面におすわり」で座ります。
その際、<飼い主の目線>と<犬の口の高さ>を合わせ、無理なく口腔内が見えるようにします。
小型犬の場合、飼い主が上下するのではなく、ソファーや安定した台などを使い、犬の高さを変化させてベストを見つけて合わせていきます。
大型犬の場合、犬の口の高さに飼い主の目線が届かない時は、飼い主自身が台や小さな椅子などを使用して調整します。必ず、正面でお座りスタイルの徹底を。

▶︎POINT1犬を仰向けにして固定させ、歯みがきを行うことは絶対に避けてください。
今回行うケアは歯みがきです。歯みがきは口を開けてブラッシングを行うため、仰向けでの口腔ケアは犬の身体構造的に無理があり、誤飲や窒息などトラブルの原因に繋がります。
また犬の心理学上、服従である仰向けで固定されて歯みがきを行うことは、歯みがきに対し恐怖心を植え付ける恐れもあります。

唇をめくって”3秒静止”を目指そう

次に、歯ブラシを利き手に持ち、逆の手で唇を優しくめくって歯が見えた状態で1秒静止したら「YES!」と声をかけてご褒美を与えます。歯ブラシはただ持ったままになりますが、今はその状態のまま唇をめくって静止できる長さを3秒程度まで増やしていきます。
3秒間静止出来るようになったら、歯ブラシに水を含ませてヘッドを歯に軽くタッチし「YES!」、又ご褒美をあげます。その繰り返しを行い、歯のタッチが出来る場所をどんどん広げていきます。静止→承認→ご褒美の繰り返しです。

▶︎POINT2人間にとって何気ないことかもしれませんが、犬が静止して飼い主に歯を見せてくれることは【犬にとって極めて難しい動作を行なっている】ということを忘れないでください。
1秒→2秒→3秒ではなく、1秒→1秒→2秒→1秒→2秒と進んで戻って、コツコツと無理なく繰り返していきます。このトレーニングが最も長くなりますが、ここが歯みがき好きになる最大のチャンスです!

頑張らないブラッシングを

続いて、タッチが安定して出来るようになったら、ここでいよいよブラッシングをします。
歯ブラシに水を含ませ、ブラッシングをしてご褒美を与えます。
歯ブラシの汚れをコップの水で軽く取り、またブラッシングをしてご褒美を与えます。
1回3秒づつブラッシング→「YES!」ご褒美→休むを繰り返しで慌てず小分けに行なっていきます。
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▶︎POINT3犬の場合、3日間で歯垢が歯石へと変化するため、出来る限り毎日ブラッシングを行うことが理想的ですが、少なくとも2〜3日に1回はブラッシングするように心がけましょう。
また、歯石になってしまったとしてもこれ以上蓄積しないように、日々ブラッシングを行うことで更なる悪化は避けることが出来ます。

まとめ

歯みがきは、飼い主ができる犬のケアの1つです。
口の中を毎日チェックすることで歯周病だけでなく、口腔内に起こる小さな変化や違和感にも気が付くことが出来ます。
また、口腔内については歯石や歯垢だけの問題に限らず、かかりつけ動物病院で獣医師に相談をし、定期チェックをしていただきましょう。
「歯みがきトレーニング」は、最初歯ブラシが苦手な犬でも継続することで歯ブラシを見ただけで喜んで走って来るまで驚く変化をします。(写真のさくらが正にその状態です笑)日々気持ちよく、頑張らないでブラッシングを継続しましょう!〈PR〉

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