enkara編集長コラムvol.03 日本で犬の繁殖ができる条件

           
ドッグショー

そもそも繁殖業者やブリーダーとは何の資格を有した人たちなのか?どのような審査や許可の上、犬の繁殖をしているのか?今回は、その話題について触れていきたいと思います。

例えばブリーダー仔犬直売サイトでは、「優良ブリーダー」や「厳選ブリーダー」といった表現などで、消費者に対し”いかに紹介する仔犬が健康なのか”を強く訴求しています。また、華やかな受賞歴や外注DNA検査なども一般的な掲載情報です。(そもそもブリーダー仔犬直売サイトが優良!厳選!と表現したからといって特別な信憑性はありませんが・・・)消費者は生まれたばかりの愛らしい仔犬たちに心が奪われてしまいがちですが、繁殖の背景を考えることはとても重要で、むしろこの時点でそこが全てと言っても過言ではありません。

雲の上のような存在だと多くの日本人が認識しているブリーダー。

でも実は、驚くことに日本では半年以上の実務経験+民間資格さえあれば、第一種動物取扱業(申請手数料15,000円|5年毎更新)を取得することで誰でも繁殖業者になることが可能です。

ブリーダー業は、特定犬種を愛し、学び、過去から未来へ繋げたいと熱心に繁殖を行う優良な人ほど利益が出ない職業です。繁殖犬の頭数を増やす、または繁殖回数を増やすなど量産繁殖を行う繁殖業者ほど利益が高くなるため、その結果、パピーミルや繁殖場崩壊、基本的な動物福祉や愛護から離れた日常的な虐待を耳にすることがあります。

また、国税庁が発表する「事業所得を有する個人の1件当たりの申告漏れ所得が高額な業種」一覧では、令和3年事務年度でワースト3位としてとうとうブリーダーが登場。1件あたりの年間申告漏れ所得2,135万円という目を疑うような発表もありました。

そもそも特定犬種を愛し、学び、過去から未来へ繋げたいと熱心に繁殖を行う優良なブリーダーは一般の消費者へ向けての販売目的として繁殖を行っておらず、優良な繁殖を行う中で未来を考え今後繁殖には適さないであろう仔犬を家庭犬(ペットタイプ)として有償譲渡することがベースです。そのため繁殖犬の繁殖回数も限定的です。また優良なブリーダーでは、4歳前後に繁殖を引退した犬を新たな家族として迎えたいという方達に譲渡する流れもあります。

今回のコラムでは「繁殖業者と優良ブリーダーの違い」を感じていただけたかと思います。
今WEB検索した時、掲載されている”犬の繁殖に関わる人”は、繁殖業者ですか?それとも優良ブリーダーですか?

誰でも犬の繁殖が出来てしまうからこそ、派手な表現に惑わされず、「真実は何か?」正しい情報を得た上で、自分自身でその仔犬の繁殖背景を見極めてください。

▶︎第一種動物取扱業とは?
有償・無償の別を問わず反復・継続して事業者の営利を目的として動物の取扱いを行う、社会通念上、 業ぎょうとして認められる行為のことをいいます。(引用:東京都動物愛護相談センターWEB

参考:
環境省 第一種動物取扱業者の規制
国税庁「令和3事務年度における所得税及び消費税調査等の状況について

enkara編集長
井手 香織
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