責任と愛情から生まれる信頼関係の築き方(元保護犬と新たな家族の物語)

           

#06_HIME (TOKYO)
笹原 Mikiさん・Kotoさん・ひめちゃん

想像と全く違う日常、葛藤____でも、とあるきっかけがフックになり、相手を変えるのではなく、人間が変わることが一番大切だったことを知る二人。YOGA的思想に繋がっていくマインド。そして気付かされた”愛にコミットメントする”ということ。お互いの愛の伝え方が徐々に変化していく。常に二人はポジティブで明るい。その二人を写したかのようにHAPPYなひめ。その先にあった、信頼関係の構築に至るまでのひめと家族の物語をご紹介します。

SPONSORED LINK

元保護犬 HIME(ひめ)のこと

2017年11月4日生まれ、MIXの女の子。現在1歳(2019.6時点)
埼玉県にある動物病院内ドッグカフェで、獣医師と連携し譲渡活動を行なっているNPO法人動物保護団体から生後4ヶ月の時に、ヨガインストラクターMiki&Kotoの家族になりました。家族に巡り合うまで、様々な困難があったひめ。運命的なサインがたくさん溢れていたご縁。海外赴任中のお父さんが大好きで帰国する度に大喜び、アグレッシブで犬も人も大好きなフレンドリーな性格。

ひめとの出会い、初めての犬との暮らしに愕然

1頭だけが仔犬で、あとはみんなシニア犬。
ワクチン接種が終わってないからと隔離されいて、すごくつまんなそうな顔をしてたその1頭の仔犬。
名前を見たら、ひめ。
MikiさんとKotoさん、それぞれの心の中にある大切な人の存在がふっと瞬時に浮かんだ。
運命的なフラグが立っていた、その話はまた後ほど。
その日、譲渡申込みをして、ひめと共に自宅に帰ってきた二人。 そこで想像と違うことばかりが起きて____

「実は犬を迎えて1週間、毎日ストレス、ストレス!ってなってしまって・・・
そのストレスの原因は規則正しい生活を犬に合わせてしなくちゃいけないっていうこと。
4ヶ月だから3時間毎に夜も起きてトイレに連れて行って・・・すごい野生的で暴れていたし・・・噛むの。本気で噛むから傷だらけで・・・信頼されてなかったんだよね、今思うと。狼の子どもっていう感じだったの。犬ってこんなに大変なの??もう無理!!!そう思った。」

「仕事の合間に、ひめの生活スタイルに合わせて帰ってきたり、急にライフスタイルをガラッと変えなくちゃいけない。犬が来たら、こんなに生活が変わってしまうことを全然考えてなかった。軽い気持ちで決断してしまったなって。」

「ひめはペットショップで売られていた犬で、一度買われたけど返されてしまって____その後、新しい飼い主さんが決まることなく、大きくなってしまったからという理由で保護団体施設に委託された犬なの。
私たちの家族になる前にも保護団体からも一度譲渡されたのだけれど、その家の先住犬を噛んでしまい、また返されてしまった。そんな人生を生後4ヶ月で体験してきたの。
1週間のトライアルが終わった時、そんなひめの背景を考えて、悪いカルマをここで断ち切ろう!私たちの家族に正式に迎えよう!そう思った。それと、ひめは家族になる”サイン”がいくつかあったんです。」

2つの運命的なサイン ”PRINCESS”と”ピンクのバラ”

1つ目のサイン。

「2年前に私たちの母は乳がんで亡くなりました。
その母が生前ずっと『犬との暮らしがしたい』と言っていて、でも転勤や海外の生活も長くて4〜5年毎に転居があり、ようやく帰国をしたので念願の犬との暮らしをと思っていたのだけれど、その後、病気になってしまって____
母はパソコンで映画鑑賞をすることが好きで、亡くなる直前に長い間教えてくれなかったパソコンのパスワードを教えてくれました。『秘密よ♪』って教えてもらったパスワード、それが「princess(姫)」だったんです。
姫みたいなお母さんで本当に可愛いくて美しい人だった。
その母が残してくれたキーと、保護施設にいた時に既につけてもらっていた「ひめ」という名前がついた犬。

さらに、お母さんがずっと憧れていた犬が柴犬かコーギーだったのだけれど、ひめはまさかの”柴犬とコーギーのMIX犬”、こんな偶然ってあるの?ってそう思ったんです。」

2つ目のサイン。

「ある日、私が帰宅すると玄関前に《ひめちゃんへ》と手紙が添えられたピンクのバラのブーケが置いてありました。
すぐに、日頃ひめと散歩をしている時によく会う地域を担当する郵便局員さんが贈って下さったものだということが分かり、早速お礼の挨拶をしました。

その時に知ったのですが、郵便局員さんは以前、ご夫婦で花屋を経営されていたそうなのですが、奥さまが乳がんで亡くなって郵便局に転職されたとのこと。

その花屋に“ひめ“という名前のコーギーを連れたお客様がよく遊びに来ていたことを思い出して、うちのひめの姿と重なり懐かしくなって奥さまが大好きだったピンクのバラのブーケをプレゼントしてくれたんです。

偶然にも私たちの亡き母も大好きだったピンクのバラの花。
きっと天国で郵便局員の奥さまとお母さんが出会って、取り計らってくれたんじゃないかなと思っています。その場で郵便局の方と故人を偲び『お互いに頑張ろうねっ。』て、とても心が温まりました。」

「だから、ひめはお母さんからのギフトなんじゃないかなって私たちは思っています。性格もちょっと似ているから生まれ変わりなんじゃないかなって思っちゃうこともあるの笑」

問題は〇〇だった・・・犬と暮らすことへの責任

生後4ヶ月、家族になったばかりの頃と今は性格や様子に変化はありましたか?

「全然違います。すごく落ち着きました。
理解してくれるようになったし、全てに慣れたのだと思う。
迎えた頃は何をして欲しいのか、何が悪いのか、分かり合えなかったの。共通言語がない、まるで外国人同士が一緒に住んでいるみたいな、そんな感じでした。」

「迎えてから4ヶ月くらい経過した頃、どうにもこうにもならなくて、全く落ち着かないし、ありとあらゆるものをかじって言うことも何も聞いてくれないから《育犬ノイローゼ》みたいになってしまって笑

私たちが考えていた犬との生活と実際の生活が違って、何も通じないから不安で、とにかく痛いし、なんでこんなに一緒にいるのが楽しくないんだろうって思って。」

「そこでドッグトレーナーにアドバイスをもらいました。
その時に、とにかくコミュニケーション。人間が言ってることを理解して、意思の疎通が取れるようになった時に関係が安定するからと言われて。
お互いに何を言ってるか分からないから不安なのだと言う事に、そこでようやく気がついたけれど、それでも当時は『即効性があるものってないの?』って思っていて。
噛み癖をすぐに辞めさせたいとか、早く言うことを聞いて欲しいとか、自分本位に目先のことや短期的なことばかり考えていたの。今、この瞬間を早く改善したい!と思っていました。」

「今考えたらトレーナーのアドバイスは偉大でした。それを地道に毎日、ただ繰り返し続けることが大事。結果、基本が一番大切だったんです。そこから地道に日々信頼関係を築いていきました。
本当に変わったのは、私たちが態度を変えた時からなんですよね。
シーザーミラン(ドッグトレーナー)の存在を知って本を読み込んで、目から鱗でした。」

『問題は私たちだったんだ・・・』

「そう気がついてから関係性は劇的に変わりました。まず自分を整えること。
YOGAと同じことで、自分たちは十分知っていたはずなのに、共通項に気がつきませんでした。
ひめのせいじゃない。犬を知ることで犬に対して人間はどうあるべきなのかそれがよく理解できました。
犬はルーティーンや群れで同じ動きをする方が安心で、ヒエラルキーがあって規則や学ぶことが好き、そういう”いきもの”。
その犬に、わかりやすいように愛を心からダイレクトに伝えることが大事だなって思って、そこにシフトしていきました。
犬と共に暮らす人間として、犬に対する責任が何なのか、それをようやく理解しました。」

怒らない。 自由にさせる。 コントロールしない。

「実は、それが無責任な愛情の伝え方だったのだと言うこと。
例えば、犬を野放しにてしまってアグレッシブになってしまって誰かを噛んでしまった時、それも私の責任だし、犬も処分されてしまうこともある。そう言うことを起こさないためにも規律が大切だと、改めて感じました。」

「ロールモデルは必要!自分の中でロールモデルをイメージしたらいいと思います。自分がどんなリーダーだったら安心して信頼できるのか?それをイメージして、人間がそこに近づいていく。
犬はみんなGOOD BOYでGOOD GIRL、可能性があるから、まずは人間側が整えて、それを引き出すことが大切だったんですよね。」

保護犬とペットショップへの想い

なぜ保護犬との暮らしを考えたのか?

「地球に住む限り、いきものを大切にすることは当たり前。
その上で今できることは、保護犬を迎えることかなって。自分の存在によって4つでも多くの命が幸せになったらいいなって、いつも思っているから。
ペットが欲しい、犬と何かしたいっていうことじゃなくて、自分にできることって何かな?って思ったの。
運命で、今回は犬っていう存在だっただけ。

人間はこんなに発達した生物になってしまったのだから責任を持つのは当たり前だと思う。
”命は買うものではない、お金で売買するものではない”っていうベースがあるの。また、何か巡り合いやご縁があったら家族が増えていくかもしれないね。」

ペットショップを選択しなかった理由は?

「犬のことを何も知らなかった私たちはペットショップに行って犬に触れ合ったこともあって、でも何か違うなって思ったの。
ペットショップで買うことで家族になったとしたら、『私がこの子を買ったんだ』っていう意識からスタートしちゃうから、所有物みたいな意識が生まれちゃうんじゃないかなって思ったことが理由。
サンフランシスコみたいに、ペットショップに行っても保護犬しかいないような形だったらいいなって思う。」

犬はずっとコンスタント___人生を教えてくれる

犬から何を教えてもらいましたか?

「素直になること。生活を整えること。愛がすべて。それと、コミットメントかな・・・最初は全くコミュニケーションが取れなかったのに、諦めずにお互いを知り合う努力を続ける。
向き合ったことで、こんなにまで信頼関係が生まれる。
人生において嫌いな人、苦手な人、そういう人たちとの関係性や、自分が向き合いたくないなって思っている出来事に対しても同じだなっていうことを教えてくれた。
困難な場面に対しても諦めない、急がない、少しずつ対話をしていくっていうこと、それで理解が深まるっていうこと。
毎日ずっと続いていく関係だから、小さなことを気にしないようにしたい。和解の道を探したいと思う。責任を持って、この関係性をどうすれば良くしていくことができるのかという部分に向き合うことかな。」

「私はコミットするのが本当に苦手で、何かをコツコツ続けることが不得意だから、犬に対しても不安があったの。でも、犬は本当に素晴らしい生き物。純粋にまっすぐに向き合ってくれる、不安とか必要のない存在で、ずっとコンスタント、ずっと変わらない。犬を見て自分を律する時もあるよ。犬はずっとYOGAしてますから笑
ひめの生き方そのものがお手本だと思う。」

「4年前は『大丈夫かな。私たち本当に家族になれるのかな。』って不安が大きかった。
『ひめは、うちに来て幸せかな。他にもっといいところがあるのでは。』そう思ったりしていたの。でも今、超幸せ・・・お互い。ずっと家族で一緒だよって思う。家族だから、ただ一緒にそばにいるだけで本当に幸せ。そういう関係になれて嬉しい。」


編集部です。目をそらさずに、そこに向き合うこと。
犬を知りたくて、ひめを知りたくて、様々な学びを広げて習得していく中で理想の形が見えた二人。
その先で犬と人間の信頼の形を作ることができ、今は穏やかに過ごしている。
一見トラブルだったことに対して、それを向き合うチャンスと捉え、真摯に対応をしてきたことで、そこに辿り着くことができたのだと思います。
お母さんが二人の元に届けてくれた愛らしいギフト。
きっと、お母さんからの愛のメッセージがエッセンスとして溢れていたのかもしれません。
これからも温かな家族の時間がずっとずっと続きますように。
Mikiさん、Kotoさん、ひめちゃん、ご協力をいただき誠にありがとうございました。

\enkara最新情報をチェック!/
 data-eio=VISION「私たちは循環する社会の仕組みを創る」" width="1280" height="768" >

VISION「私たちは循環する社会の仕組みを創る」

今までの犬と暮らす当たり前や固定概念にとらわれず、新しい情報や価値観を知ることで気づきを得るために、様々な情報発信や活動をします。最終目標として掲げる「循環する社会の仕組みを創ること」を実現するため、ミッションとして、“犬を知る“をアップデートし、より豊かな関わりで犬と人が本質的に繋がり、共に生きる姿を提案します。私たちは、循環サイクルの中でその未来を創造し実現できることを強く願いビジネスを営む社会を目指します。

CTR IMG