【ドッググルーマーコラム】ホームケアの謎を解く!〜知っているようで知らない犬のお手入れ基礎知識〜

           

多くの飼い主さんは、自分の犬のホームケアをします・・・寧ろ、したがります。ブラッシング、爪切り、耳掃除、肛門腺絞り、足の裏の毛のカット、歯ブラシ、シャンプー・・・きっと、ご自宅でされている方も多くいらっしゃるかと思います。でも、今あげたケアの中で知識も無く出来ることは何一つありません!今回は、全てのホームケアの総集編!ケアの仕方をレクチャーします。保存版です!

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大前提として犬と人間は違う生きもの


ペットショップで犬を購入した際、『グルーミングセット』を犬と一緒に買わされるケースが多いようです。
そのセットには、ブラシ、コーム、爪切りなどホームケアに必要なグッズ一式が入っています。
ブラシは、スリッカーブラシという剣山みたいな針の山がブラシになってるもの。
コームは、ステンレス製のもの。
爪切りは、先にカバーの付いてる超絶使いにくいもの。
だいたいそれがセットになっています。
例えば、シャンプー剤を販売するからには使い方も添えて伝えてもらわないと本来困りますが、丁寧に伝えるケースは少なく、そのため、いざシャンプーをする時に、飼い主さんはあたり前のように人間の頭を洗う感覚で原液をドバーッと犬に直接かける方も少なくありません。
犬用シャンプーは、お湯と合わさらないと洗浄効果は無いんです!
ブラッシングも毎日しなきゃいけないことは無く、嫌がるならむしろ1〜2日おきでも全く問題ありません。
そして、犬によって必要なグルーミング用品や方法は異なります。

耳掃除、ブラッシング、肛門線、爪切りの謎を解く!

(1)耳掃除の謎

耳が垂れてる犬種や、耳の中に毛が生えてる犬種は汚れやすい傾向にあります。
そして、耳の中に毛が生えてる犬種の”この毛を抜く?抜かない?問題“についてですが、正解は臨機応変に・・・です。
抜かなくても問題ないし、抜かないと掃除ができない場合もあります。
ただ、抜くのは痛くないというプロがいますが、それだけは真実ではありません。
犬も人間と同じように痛みを感じます。
耳の汚れについては、実は食べているご飯の影響も大きくあり、食事を見直すことで改善するケースもあります。

(2)ブラッシングの謎

「シャンプーの前にしっかりブラッシング!」これもよくある話ですが、無理やりしては犬が気の毒です。
もし、ご自身が美容院に行った際に、ガシガシブラッシングされて、毛が引っかかったらグイグイ引っ張られたらどうでしょう?
私なら2度と行きません。
痛みは犬も人も同じです。痛みに対して人間よりも我慢強いだけです。
出来るだけ引っ張らずブラシが皮膚に触れることも最小限に抑えて、お猿さんのグルーミングみたいに心地良くしてもらいたいものです。そして、その方法にもコツがあります。

(3)肛門腺の謎

マーキングの際に使われる臭いの強い分泌液が肛門線に溜まります。
位置としては、肛門を中心として4時と8時の場所にあり、犬同士の挨拶の際、お尻の臭いを嗅ぎ合うのはこれが理由です。
日本では、グルーミングの際にグルーマーが肛門線を絞ることが多いですが、海外では獣医師の仕事です。
絞らないと爆発するとよく言われますが、それも全て本当では無く、本来は犬自身が自力で出すものでありそれが自然です。
定期的に絞っていても爆発する犬もいるし、一切爆発しない犬もいます。
肛門線は臭いや形状も含め個体差があるものなので、”必ず絞らなければならないもの”ではありません。

(4)爪切りの謎

多くの飼い主さんが気にする個所ですが、これがまた、たくさんの方が勘違いしています。
それは、”爪を切らなくても血管(神経)は伸びない”という事。
もし、切らないと血管が伸び続けるんだとしたら、何年も外を彷徨いやっと保護した犬は誰からも爪を切ってもらっておらず血管伸び放題のはずです!
爪が渦巻きになる程伸びた犬をレスキューした時、実際爪を切っても血管(神経)は伸びていません。
血管(神経)の長さは個体差です。
血管を切って爪を短くしたいと言う方もいますが、その場合、忘れてはならないことは、その犬に強く痛みを与えること、そして、止血剤はその切れた血管を焼いて止めると言うこと。
本来犬は爪切りの必要はありませんが、住環境としてフローリングでの生活が多い現代の犬たちのことを考えた時に、定期的な爪切りは必要です。

正しい知識を得てからホームケアを行うこと

サロンにご自身の犬のお手入れとシャンプーカットなどを依頼する時、「毎日〇〇をしてくださいね」と言われたら、ぜひ、そのやり方を教えてもらってください。
例えばシャンプーの場合、どんなシャンプーを使うべきなのか…
すすぎは?
ブローは?
痛くないように梳かすにはどうすればいいのか?
どれもこれも教えてもらわないといけないことなのです。

皮膚の状態が悪くなり、病院へ行くと大概の獣医師が薬用シャンプーを出します。
でも・・・それ、本当に合ってる?
ちゃんと使い方教えてもらった?
そのシャンプー剤で治るの?
ちゃんとその犬と症状にあった治療と方法を確認してください。
唯一、飼い主さんにお願いしたい事は”歯磨き”です。
ガーゼのタオルでも、歯磨きシートでも大丈夫!
最近は、マヌカハニーも効果ありとされています。日々のケアが大切です。
ホームケアで大事なことは、ご自身の犬にあったやり方をちゃんとプロに聞いてから無理なく行うことです。

犬と飼い主がより良い関係を築くために

結局のところグルーマー全員が犬に寄り添っているかというと、残念ながらそうではなく、勉強不足のグルーマーもまだ多くいるのが現状です。
飼い主さんは素人で、獣医師やグルーマーがプロだとしたら、私たちプロはプロなりのアドバイスを”はじめて犬を家族に迎える飼い主さん”にも、”長年犬と暮らす飼い主さん”にも、きちんとアドバイスして、犬がグルーミング好きでいてくれるようにホームケアの重要性とやり方を無理なく指導していく必要があると思ってます。

まとめ

自宅でシャンプーやブラッシングを張り切ってする事で、やり方を間違えるとそれを嫌だと犬は抵抗します。
それでも、それが愛情や責任だと真面目に頑張る飼い主に対して、犬はさらに気持ちをわかってもらおうと強く抵抗します。
暴れても鳴いても頑張る飼い主に犬はついに牙をむき噛みつきます。
犬は、グルーミングのやり方が嫌で噛んだのに、頑張ってる飼い主はそれに気づかず結果として抱っこされる→触られる→グルーミングされる→痛い→噛む→やめてくれる。
これを学習した犬は噛むことで伝えるようになります。
結果、「この犬は凶暴、この犬は可愛くない、何をしてもダメ・・・」となり、飼いきれなくなって犬を捨てるケースもあります。
プロは知識を伝える、飼い主さんはその知識をもって正しくホームケアをする。
その結果、巡り巡って、捨てられる犬の数も減ります。
確実に・・・

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VISION「私たちは循環する社会の仕組みを創る」

今までの犬と暮らす当たり前や固定概念にとらわれず、新しい情報や価値観を知ることで気づきを得るために、様々な情報発信や活動をします。最終目標として掲げる「循環する社会の仕組みを創ること」を実現するため、ミッションとして、“犬を知る“をアップデートし、より豊かな関わりで犬と人が本質的に繋がり、共に生きる姿を提案します。私たちは、循環サイクルの中でその未来を創造し実現できることを強く願いビジネスを営む社会を目指します。

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