ドッグトレーナーから見る仔犬の迎え方 〜犬を飼う前に考えること〜

こんにちは、ドッグトレーナーの西村緑彩です。
ドッグトレーナーという仕事柄、私が飼い主さんとお会いするのは、大抵『犬を飼った後』のケースが多いです。それも、“愛犬の問題が見え始めた時“ に初めて連絡が入ります。
お会いする時期はさまざまですが、「できれば犬を飼う前に相談して欲しかった〜!」というケースも少なくありません。
その生活スタイルでその犬種を迎えてしまったかぁ・・・
もっと正直に言ってしまうと、この方には犬ではない動物の方が良かったかもしれないな・・・と思うことも度々あります。
今回は、犬を迎えようと思った時にまず考えて検討した方が良いことをドッグトレーナー目線からお伝えします。

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なぜ「犬」を選ぶのか

さまざまな動物がいる中で犬を選ぶ理由はかなり重要です。
率直に『癒し』だけを望むのであれば犬はお勧めしません。
その理由は、ルール(しつけ)と運動が必要だからです。
多少なりとも生活は変わり、子育てに近いことが求められます。
『癒し』はそれらを満たした上で、人間だけでなく犬も『癒された状態』だからこそ、お互いにとって癒しの存在となるのです。
まず、犬を迎えるのであれば、屋外に出かけることは必須項目です。
しつけの相談に来る飼い主さんから、ペットショップや動物病院などで「小型犬は散歩はいらないから、室内だけで大丈夫」と言われたという話を聞きますが・・・その時は、「それは問題行動を増やす原因にもなるため、必ずお散歩はしましょう」とお伝えしています。
完全なインドア派の方は、小動物、爬虫類、魚など犬以外の様々な生きものを選択肢として広げて検討してみても良いでしょう。

「犬」を迎えたら、一緒にどんな生活がしたいのか、何を求めるのか

それぞれのご家庭ごとにライフスタイルは違って当然です。
「自分の家には一体どの生きものが合うのだろう…」ということを犬という選択も含めて、まず考えてください。その上で「やっぱり犬だ!」と心が決まったら、次は、犬を迎えたら一緒にどんな生活をしたいのかを想像してみましょう。

犬を迎えたら、アクティブに山へ川へ海へ遊びに行き、自然を一緒に楽しみたい!
そんな方の場合は、体力のある犬で体格、体型に気を使うこともなく、多少の汚れにも手入れが楽な方が良いな、ちょっと険しい山に行くから中型犬以上の方が心配ないかな。

ドッグスポーツ(障害物競走、ディスク、ダンスなど)を犬と共に楽しみたい!
そんな方の場合は、号令を教えていくときに俊敏に動ける犬がいいかな。いろんな動きを楽しむために身体的に無理のない犬がいいかも。

幼児期の子どもがいるから、みんなで一緒に遊んだり、たまに旅行へ行ったり、家庭犬として穏やかに過ごしたい。
そんな方の場合は、協調性や従順性が高い犬がいいな、居住空間によって大きさの選択をしたいな、興奮性はあまり高すぎない犬がいいな。

このような感じで具体的に考えると犬を迎えた後のライフスタイルがイメージできます。

どんな犬種を希望するのか?なぜその犬種なのか?

次は、そのライフスタイルに合う犬を考えていきます。
犬は、種類、大きさ、気質、毛質など実に多種多様です。
純血犬の場合、その犬種はどういった目的で作られてきたのか、気質はどうか、長所と短所、かかりやすい病気など、見た目だけではない犬種特性を事前に知っておくことも大切です。
今はインターネットで検索すれば、どんな犬種でもたくさんの情報を得られますが、残念なことにすぐに選んでしまいそうになるようなポジティブな面だけを書かれてしまっているものが多いのも事実です。

例えば、トイプードル。
頭がよく、物覚えがとても良い、明るく元気な性格です“と書かれている場合が多く、
これを見ると一見とても飼いやすそうに書かれていますが、一緒に生活した時に想像できることは、“良いことも悪いこともすぐに覚えます。興奮しやすく、なかなか落ち着かないことがあります“という側面です。
長所と短所は表裏一体なのです。

できれば複数の情報を見て、短所や注意点が正直に書かれているものも読んで、自分や家族と一緒に生活している想像をしながら迎える準備をしていくと、迎えてから「こんなはずじゃなかった!!」というリスクが減らせます。

仔犬から犬を家族へ迎えるということ

幼少期に経験した刷り込みは、良い意味でも悪い意味でも後の行動の癖や思考などを形作ることになっていきます。
それを共に暮らす飼い主さんの「こうなって欲しいな」という目標に道を作ることができるということが、犬を仔犬から家族に迎える最大のポイントだと私は考えます。
そのくらい幼少期の犬の経験値は大切なことです。

全てがそうではありませんが、成犬を迎えた場合、それまで学習されたものがどんなことであるのかわからない場合が多く、例えば川へ行ってアクティブに犬と遊びたいと犬との暮らしをはじめた人が迎えた犬が、過去に水に対して全く経験がなく、そもそもアスファルトしか歩いたことがありません。という犬だった場合、そのリハビリから行う必要が出てきてしまいます。
何シーズン後に想像していた愛犬との川遊びが可能になるのかわからず、むしろ犬が来たことで行動範囲が狭くなってしまうということになりかねません。
せっかく犬を迎えたのに、長い我慢をする生活ではお互いに幸せになれません。

そのリハビリが犬を飼う目的であれば、それはお互いにとってよい時間になりますが、目的がある方が犬を迎えるのであれば、あえてそのリスク取る必要はないと私は考えます。
これもなぜ犬を迎えるのか?その質問に繋がりますが、飼い主さんによって仔犬であった方がより良いケースと、シニア犬だから充実できるケースに分かれます。


どんな仔犬を迎えても、幼少期はやんちゃな犬も多く、トイレトレーニングや社会化などその時期にやることが満載で手を焼きます。だからこそ、飼い主さんとのミスマッチはお互いが苦しむことにもなりかねません。初めて犬を迎える方はもちろん、2頭目、3頭目を考えている皆さんも、犬を家族へ迎える前に、自分のライフスタイルについて、今の環境について、立ち止まり、ちょっと考えてみる時間を作るのも良いのではないでしょうか。

[文/西村 緑彩・構成/enkara編集部]
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