【老犬介護スペシャリスト渡辺 聡】 高齢犬に散歩や運動は必要?シニア期の運動ポイントと注意点

高齢犬や要介護犬に多い悩みや相談に、自らも介護の経験を持つ老犬介護スペシャリストドッグトレーナー渡辺 聡が答える「シニア期の連載コラム」。
今回は、高齢犬や介護を要している犬にとって必要な”体を動かす方法について”教えていただきます。
歳を重ね寝ている時間が多くなった愛犬のために、「何かしてあげたい」と思う飼い主さんは多くいます。無理はいけないと分かっていても、「このまま何もしなくて良いのか?」または、「負担をかけさせているのではないか?」など不安を感じることも多いようです。
そうした不安を解決できるような内容をお届けします。

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高齢犬に散歩や運動がなぜ必要なのか?


高齢犬も散歩や運動は必要と考えています。
散歩は、体全体を動かすことで筋肉をほぐすことにつながります。
また、屋外で臭いや風、温かさ(寒さ)などの刺激に触れることによりストレスを発散したり脳の活性化も期待できます。
散歩のルートは、毎日同じ道順にすると犬の行動がルーチン化しますので、いつもの道を逆から歩いてみたり、ルートを変えたりすると新たな刺激になります。
人と同様に犬も朝の日射しにあたることで体内時計がリセットされると言われています。そういった意味からも、日中無理なく外気に触れる時間、犬のペースで歩く時間は大切です。

高齢犬と散歩をする時の注意点


注意点は決して犬に無理をさせないことです。
階段や急な坂は犬の腰が安定するように手を添えて抱っこしてあげるなど足や腰に負担がかからないようにしてあげましょう。
高齢犬には舗装している道は硬いので、公園や広場の”土の上の散歩”の方が良いと思います。
犬の歩く速度が遅くなる、尻尾が下がってくるなど疲れた様子の時は休憩を取るようにしましょう。暑い時期は散歩中の水分補給を忘れないように。
犬が疲れるようであれば、散歩の距離(時間)を調整してあげることも考えましょう。
足や腰に不安がある犬はあまり走らないようにして、走る場合は足の動きがスムーズであるかを見ながら走るようにしましょう。
また、犬と一緒に外に出る時間があまりない場合は、短い時間でも構いません。できる範囲で犬と過ごすことを考えましょう。

ステージ別!シニア期の運動ポイント


歩くことが難しい犬の場合は、抱っこして家の周りを歩くだけでも構いません

抱っこが難しい犬の場合は、ペット用カートがあると便利です。
散歩中、日射しや風・臭いが感じられるとさらに良いです。
雨の日は、濡れないように玄関先などで外が感じられるだけでも構いません。その時に、愛犬に「今日はいい天気だね」「今日は雨だね」と話しかけてあげるのも良いと思います。

屋外に出ることが難しい犬の場合は、室内で歩いたり運動したりするようにしましょう。
フローリングの床は滑りやすいので柔らかいバスタオルを床に敷いてその上を歩いてもらうと足が滑りにくくなり良い運動になります。
私は、タオルの代わりにヨガマットを使用しています。クッション性があり足が滑りにくくおすすめです。おすわりから立つ動作だけでも運動になります

立つことが難しい犬の場合は、人がアシストして犬が運動ができるようにしましょう。
例えば、後ろ足が弱くなり立てない場合は長めのスポーツタオルの中心をお腹の下にまわして、両サイドを人が持ちあげるようにすると立てるようになります。

がんばった愛犬には、たくさん褒めてあげましょう。
おやつをあげることもモチベーションを保つことにつながります。
おやつの食べ過ぎが気になる場合は、おやつを小さくして使用することをお勧めします。ここでも注意点は、犬に無理をさせないことが大切です。
“運動すること”に良いイメージを持ってもらいたいので、上手くできたところで運動を終わりにしましょう。また、全ステージ共通の前提として、愛犬ができることは人が手伝わないようにしましょう

シニア期を迎える前に飼い主ができること


若いうちから足腰が衰えないような運動をしておくことは重要です。
日頃、散歩で行く公園や土手などに芝生や土の傾斜があると思います。
飼い主さんには少し大変ですが、屋外の運動として、この傾斜を数回登ったり降りたりすることで足腰の衰えを防ぐことができます。
室内での運動としては、以前紹介しました「またげる段差」をすることや、飼い主様が座って足を広げて犬に飛び越えてもらう運動は雨の日でも楽しくできます。

犬を撫でてあげたり、マッサージすると簡単な運動になります。
私の愛犬は、お尻の部分を揉んであげると安心してリラックスします。
全身を撫でていて身体に異変をを見つけることもありますので、全身を観察しながらスキンシップしてあげると良いでしょう。
簡単なマッサージとして肉球を軽く握るとツボが刺激されてリラックス効果があります。
肉球を握る前に肉球の状態を確認し、傷などがないか見てあげてください。
高齢犬の肉球はケガをし易いので、ぬるま湯で拭いてクリームでケアをしたり、足の爪や毛が伸びていたら小まめにカットしてくださいね。

まとめ


全ての生きものは歳を重ね、やがてシニア期を迎えます。
やんちゃだった仔犬期から成犬期になり、ドッグランで走り回ることが好きだった犬たちもゆっくりと一歩づつ、大地を感じ、風を受けその匂いを堪能し、穏やかな時間の流れを楽しむ時期がやってきます。
愛犬の変化を一番近くで感じることができるのは飼い主さん自身です。
ステージに合わせて出来ることを優しく見守り、難しくなってきたことをそっとサポートすることで、犬たちは飼い主さんと一緒にシニア期を楽しむことができます。
運動は身体機能の向上だけでなく、心を安定させる効果も期待できます。適正な運動量は犬の性格によっても異なりますので、無理することなく、愛犬に合った方法や手段を取り入れて、ぜひ日々の運動習慣から健康的な毎日を。

[文/渡辺 聡・構成/enkara編集部]

【プロフィール】

FLUFFY DAYS代表|ドッグトレーナー
渡辺 聡
30数年に渡る会社員生活を経て、愛犬の介護を機にドッグトレーナーの道へ。会社員生活での設計・営業の経験を活かし、飼い主様への分かりやすい説明・対応を心掛けています。 現在、ボランティア活動としてスポーツ競技ほかの写真撮影をしています。 ネコも好きです。
〈資格・認定〉
PLAYBOW(プレイボウ)ドッグトレーナーズアカデミー認定ドッグトレーナー
特定非営利活動法人日本ペットシッター協会認定ペットシッター士
ペットマッサージ・セラピスト(社団法人日本ペットマッサージ協会)
老犬介護スペシャリスト(JAPANペットケアマネージャー協会)
フォトマスター検定1級
熱中症対策アドバイザー
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