ペットショップで見かける保護犬の謎 〜保護犬ビジネスの特徴と見分けるポイント〜

“保護犬”という言葉が定着してきた昨今、「犬を迎えたい!」と思うその選択肢に”保護犬”をと考える方も増えてきたように感じます。「家族のいない犬を迎えよう」そんな優しい気持ちが広がることはとても喜ばしいことです。しかし犬を想い、犬の未来を想っての選択が、意図せず保護犬を量産する側の利益となってしまうことがあります。その代表格が、保護犬をブランド化し利用する”保護犬ビジネス”です。これは決して対岸の火事ではなく、実際に皆さんの身の回りで堂々と行われていることです。では具体的にどのようなことが起こっているのか見ていきたいと思います。

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保護犬ビジネスの特徴とポイント


保護犬ビジネスには「商用利用犬」が大きく存在しています。
「商用利用犬」とは、犬の生体を商品として販売するための流通システムの中にいる犬全体のことです。そして、そこからから外れてしまった犬を「余剰犬」と分けて表現しています。小売店(ペットショップ)で売れ残った犬もまた、商用利用犬として生産された犬の余剰犬と言えます。
優良なブリーダーの元で繁殖された犬は、そもそも計画的な繁殖のもと産まれます。余剰を生むことがないため、今回の商用利用カテゴリには入りません。
商用利用犬は流通システムの輪から外れた瞬間に、悪意ある人間によって「余剰犬→保護犬」と名前が変えられ、保護犬として保護団体や事業者の中に巧みに入り込んでいます。
それでは実際に行われている保護犬ビジネスについて、その特徴とポイントを見ていきましょう。

某ペットショップの保護犬譲渡活動

生体販売をしているペットショップでも、保護犬譲渡を謳っている事業所や店舗があります。ここで言う保護犬とはどんな犬たちのことなのか?今回は、某企業の保護犬譲渡活動の特徴を例にあげてみましょう。

譲渡費用
約30,000円(マイクロチップ登録料、年会費5年分、医療費など)
譲渡条件1
指定メーカーのドッグフードを5年間分 定期購入契約(1歳以上の場合は3年間)※解約不可(参考:1か月4,000円×12か月×5年=240,000円)
譲渡条件2
指定するペット保険に加入すること
犬の種類
純血種、純血種同士の混合種(純血種MIX)のみ
情報
全頭 生年月日が記載

本業が生体販売であり営利目的のため第一種動物取扱業者の届出をしていることから、費用面や譲渡条件での違法性はありません。
しかし上記の特徴から、店頭で売れ残った犬を保護犬としているのではないかと容易に想像できてしまいます。また5年分のドッグフード代だけで考えても、店頭で販売している仔犬生体の半額~同額です。
このようなケースは、保護犬を”譲渡”ではなく”販売”しているに過ぎないのではないでしょうか。売れ残る犬が存在している以上、家族を必要とする犬が減ることはありません。それどころか、店頭で売れ残ったとしても「保護犬」として捌ける場所が現在確立されています。こういった場所から「保護犬」として迎えたとしても、商用利用犬の存在は膨らむ一方で、結果として生体販売に加担してしまうことになります。

保護犬とふれあえるカフェ

カフェ内で譲渡対象となる保護犬と触れ合うことができる最近ポピュラーな仕組みです。
しっかりとした目的を持って運営している店舗も多く、保護犬を迎えようと検討している人にとっては実際にふれあうことができる貴重な場所ですが、しかしその一方、保護犬ビジネスと化している店舗や企業も同じように多く、注意が必要です。「保護犬とふれあえるカフェ」では、次のポイントに着目してみましょう。

経緯
一頭一頭カフェに来た経緯や状況は異なることが当然です。
「ブリーダーからの依頼」「飼い主からの依頼」「多頭飼育崩壊」「繁殖引退犬」などの言葉が使い回されていませんか?
犬種
ペットショップさながらの人気犬種しかいないのは不自然です。
譲渡対象の犬がいつも純血種ばかり、または純血種同士の混合種(純血種MIX)ばかりではありませんか?
生年月日
全頭の生年月日が記載されていませんか?
状況にもよりますが、保護犬の年齢は特性上推定であることがほとんどで、生年月日まで判明していることは本来稀です。

上記のポイントに当てはまる場合、特定の繁殖業者やペットショップ、引き取り屋から商用利用犬を仕入れている可能性があります。
このケースでは悪質な繁殖業者からの「繁殖引退犬」であることも多く、繁殖ができなくなった5~7歳の雌犬が多いことも特徴として挙げられます。こうした犬の譲渡を受けたとしても繁殖業者にとっては、その犬の代わりに空いた枠へ次の繁殖犬を入れ替えるだけです。流通から外れ、余剰となった犬を保護犬として迎えることは販路を拡大させてしまうことになります。


そもそも「保護犬」とは無くすべき存在です。しかし「保護犬」がいないと事業が成り立たない人間は、その存在を生み出し、最後まで犬を利用し利益を搾り取っています。
例に挙げたビジネスモデルには、全て「保護犬」と名前を変えた「余剰となった商用利用犬」が存在していることが分かると思います。
繁殖生産から外れた犬は「繁殖引退犬」として、小売販売から外れた犬や余剰となった全ての犬は「保護犬」として、その見せ方を変えることで、商用利用犬を生み出している事業者にとって全く損をしない構造となっているのです。
健全とは思えない流通システムが機能している現在、残念ながら今すぐに商用利用犬の存在を無くす方法はありません。しかし、需要と供給のバランスを崩すことで、効果的に変化をもたらすことができます。保護犬を迎えたいと考えたとき、然るべき場所から譲渡を受けることが最も重要です。意図せずとも犬を利用する側の利益に加担することのないよう、正しい情報を見定める目と知識を持ちましょう。
私たち一人一人の犬を迎える際の選択が、全ての犬たちの幸せな未来に繋がっています。

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