犬に子どもはストレス?これから犬を迎える皆さんへドッグトレーナーから伝えたいこと〜子どもと犬が共に暮らす注意点〜西村緑彩

こんにちは、ドッグトレーナーの西村緑彩です。
唐突ですが、私は6歳の息子がいます。4頭の犬たち(雑種、ラブラドールレトリーバー、チワワ)、猫、爬虫類、多くの動物たちと暮らしている様子を踏まえて、子どもがいるご家庭でこれから犬を迎えようか考えている皆さんへドッグトレーナーの立場として【子どもと犬の関係について】一緒に暮らす注意点も含めて大切なポイントをお話したいと思います。

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子どもと犬が一緒に暮らすこと


子どもの情操教育に良い、優しい子どもになる、責任感を持つようになるなど言われているように、犬との暮らしは、子どもにとって本当にいろんなことを学べることは、私自身も日々感じています。
まず子どもは、犬たちの世話で ”やるべきこと” を毎日見ていきます。
ご飯を与えて、排泄を片付けて、運動(散歩)をさせる。具合が悪ければ病院に行き、ブラッシングなど身体のケアをする。

理解できる年齢の子どもには、なぜそれが必要なのかを説明すると良いでしょう。
そして、人間はそれらを自分でできるようになるけれど、犬たちはこのお世話が老犬になって亡くなるまで続くことも伝えます。
子どもは、自分が世話をしなければ、犬たちは汚くなるし病気になることを理解した上で、「責任」を学びます

ときには犬たちを優先しないといけないこともあります。
特に仔犬を迎えた頃はトイレが頻繁だったり、ご飯の時間も回数が多かったりと世話の面で子どもに待ってもらう場面が必ず出てきます。
そこで自分の順番を犬に譲る、相手を思いやるという理解が「優しさ、思いやり」を学びます

我が家の例ですが、息子は夜暗いところに行くのが怖いので犬を呼んで一緒に行ってもらいます。
犬たちがいれば怖くないらしく、精神的に頼る頼しい味方のような存在でもあるのです。犬たちもそんな子どもを見て育ち、遊び仲間であり、頼れる友人であり、妹や弟のような気にかけて守るような見方もしますから、子どもも犬もお互いを1つの関係性として見るのではなく、いろんな立場で付き合うことができる同士として暮らすことができます。

そのような関係で暮らせた子どもたちは、その犬が亡くなるときにはかけがえのない思い出と学び、犬たちは最高の思い出を残していってくれるでしょう。

ただし、それはただ同じ建物に一緒にいるだけでは得られません飼い方によっては、真逆の効果にもなってしまう恐れもあるのです。

犬のお世話やしつけは親がやっているのを見せてから


子どもが欲しいからといって犬を迎える方もいますが、犬にも感情や意思、身体の成長があることを忘れてはいけません。
ペットを飼うというより、子どもがもう1人増えるような気持ちで迎える。と言った方がわかりやすいでしょう。
基本的には親が世話や健康管理、しつけをすることになります。
親がその犬を理解して、どう接すれば良いのかをわからなければ、子どもと犬の双方が安心して安全に生活を送るのが難しくなります。

子どもの情操教育に良いという理由で、盲導犬にもなるからとラブラドールを飼った方がいました。
けれども、穏やかさとは無縁の生活が始まりました。
家具を壊す、子どもを突き飛ばす、吠えて暴れる・・・
子どもはすっかり犬が苦手になり、家族は犬に振り回されるようになって相談に来ました。

また違う家族では、「小型犬であれば簡単に飼えて世話も焼かないから子どもと遊ばせられそう」とトイプードルを迎えて、吠えや噛みつきが出てしまい相談に来たケースもあります。

個体の中には生まれ持って穏やかな犬もいて、何もせずとも理想的な犬と子どもの生活ができている家庭もあります。
ですが、理想と現実のギャップに悩ませれてしまっている家庭の方がとても多いのも事実です。
どんなに小さい犬種でも『運動』は必要ですし、その家庭の中に存在する『ルール(しつけ)』を教えなければなりません
何をすれば良くて何をしたらいけないのかは、日常生活の中で繰り返し褒めたり注意したり、ときには叱ることを重ねて初めて身についてくるのです。

子育て中の方はここまでのお話しで「人間の子育てと同じ」だと気が付きましたね。
ですから犬育ては子どもだけでやるには責任重大、お兄ちゃんやお姉ちゃんに弟や妹のお世話をお願いするような感覚で、まず親がやっているのを見せてから、やれる範囲でお世話やしつけを一緒にやっていきましょう。

頼れるところに頼るのも一つの方法


仔犬を迎えると、来たその日から毎日ノンストップでさまざまなことを仔犬に教えなければなりません。
迎える月齢にもよりますが、主な項目を書き出してみると・・・

・クレートトレーニング
・トイレトレーニング
・さまざまな環境への馴致(社会化トレーニング)
・お散歩
・遊び方のルール
・ご飯の時間のマナーなど

また、仔犬の時期は犬の一生の中でも重要な期間になります。
生後4ヶ月前後のうちに、五感を使うさまざまな体験をしていく必要があり、この時期に安全に見聞きした物が多い方が、成長したときに物事に動じない安定した犬に育ちます。(社会化トレーニング)

・人間に会う(男性、女性、子ども、老人、制服姿、メガネ姿など)
・音を聞く(生活音、工事現場、道路、学校、電車など)
・物を見る(車、トラック、自転車、人混み、大きい段ボール、傘など)等

今は「犬のしつけ」について、ネットでの情報がたくさん得られやすい世の中ですが、多い分、しつけ方の方法もそれそれなので、迷ってしまって結局何もできずにいる飼い主さんをたくさん見てきました。
できれば、その犬種の特性や性格を見極め、飼い主さんの家庭環境に合ったルールを教えてくれるトレーナーにアドバイスをもらうことをお勧めします。
犬の幼稚園やお泊まりトレーニングなどを利用して、自分たちでは体験させてあげられない環境に犬を預けることもできます。
自分たちが飼い主として全部やらなければ!!と頑張りすぎず、頼れるところに頼るのも一つの方法です。「可愛い子には旅をさせよ」とも言いますよね。

子どもに犬への接し方を伝える必要がある

子どもと一緒にいることでしつけで得をしていることもあります。
しつけの相談で「子どもが苦手」と言われることが多いのですが、子どもと暮らしている犬たちは、この課題をクリアしやすいです。一般的に犬は子どもが苦手な場合が多いです。
理由は
・突然大きな声を出す
・突然走り出す
・予測不能なことをする
子どもは次に何をするのか分からないので、犬の不安や警戒が高くなりやすいのです。
ですが、毎日子どもと一緒にいる犬たちは、その予測不能な場面が日常茶飯事になるので、
耐性ができる
というわけです。
大人だけの家庭で育った犬よりも、外的刺激に対して忍耐力ができているな〜と感じます。

ただし、子どもにも犬への接し方の決まり事は伝える必要があります
犬の身に危険を伴うようなことや、逃げている犬を追い詰めるようなこと、犬が「嫌だ」と表現しているときにそれ以上やらないことなど___もし自分がされたら嫌だなと思うことはしないように説明すると良いでしょう。

犬にも一人でゆっくりできる場所を用意


基本的に仔犬を迎えるときに用意する物は、一般的に書かれているものと同じなので、あえてここでは表記しませんが、しつけの面も含めて絶対に必要なものとして「クレート、サークル、ケージ」などの犬を入れておく個室は重要です。
子どもとのスキンシップはとても大切ですが、犬にも一人でゆっくりできる場所を用意しましょう。
もう一つの理由として、犬へ悪戯を覚えさせない、誤飲防止。
子ども居る家庭ではおもちゃや食べかすなど、犬の口が届く場所に物がある状況が多くみられます。ちょっとしたスキにうっかり子どものおもちゃを飲み込んでしまった、噛んで壊してしまった、子どもの食べている食べ物を奪ったなど、という話もよく聞きます。
仔犬だった場合、この悪戯を幼少期に覚えてしまうと、成犬になっても続いてしまう可能性か高いため、できるだけ仔犬のうちにこのような経験をさせないことが大切になります。

子どもと犬両方の心と身体を満たして成長ができる関係性を


子どものいる家庭の飼育環境は、犬だけの時間がなかなか取れず、散歩がどうしても短くなってしまったり、急な子どもの体調不良などのイレギュラーな出来事で、世話やしつけがうまく運ばないことが多くなるでしょう。
その時間がかなり多いと想定できる場合は、犬ではなく他の生き物を迎えるという選択肢もあります。また、迎える時期をもう少しずらすという方法も考えられます。
先ほども書いたように、ペットサービスを利用する(他の人の手を借りる)という手もありだと思います。

私自身も息子が幼稚園に入ってからラブラドールを迎えていますが、シュミレーションしていた通りには行きませんでした。
先住犬のラブラドールやチワワの時は、まだ息子がいなかったので犬の時間をたっぷり取れたのですが、末っ子ラブラドールはそれだけの時間が十分取れず申し訳ないな・・・と思ってしまうこともあります。
ただ、息子がいるからこそできる、子どもと犬が遊ぶ時間を持てたり、学校に行くときに一緒に登校班に並んで歩くことや、子どもの歩調に合わせた散歩ができるなど、人に協調することを多く学んでくれています。
これは人間と暮らす犬にとって、とても大切なことです。

まとめ


たくさんのことを伝えましたが、犬を迎え育て、一緒に暮らしていく過程の中で、子どもと犬両方の心と身体を満たして成長ができる関係性を築くことが、子どもがいる家庭で犬を迎える際にとても重要なことなのです。
そしてそれを築くことができるのは、他の誰でもなく犬と子どもと暮らす周囲の大人だということを心に留めていただけたらと願います。
その大人たちの行動と意識により、犬も子どももより充実し豊かな人生を穏やかに歩むことができるのです。
[文/西村 緑彩・構成/enkara編集部]

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