【犬の手作り防災食(ライフラインが使える編)】犬ごはんCookBook #18「馬ハツチップとトマトの豆スープごはん」山﨑枝里

           


こんにちは!ペット食育協会上級指導士の山崎枝里です。今年の梅雨の期間はとても短く、すでに関東甲信、東海、九州南部地方は異例の早さで梅雨明けが発表されましたね。この時期になるとここ数年、天気予報などで「梅雨末期の大雨に警戒してください」などの言葉を耳にすることが増えてきました。この数年梅雨末期の長雨は日本各地で大きな被害をもたらし、昨年7月初旬に発生した静岡県熱海市の土石流災害の被害も記憶に残っている方も多いのではないでしょうか。梅雨が終わると今度は台風も到来します。災害はいつどんな時に起こるかわかりません。日々の暮らしの中へ少しずつ取り入れて不測の事態が起きても冷静に行動できるようにしましょう。今回は、水道や火などを使える状況を想定し、乾物をフル活用して簡単にできる飼い主と犬を守る防災ごはんをご紹介します。とっても簡単で「いつも」も「もしも」も美味しく食べられるレシピです。知識と備えは家族みんなのお守りになります。是非お役立てくださいね。

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食材(1日2回食の場合の1食分)

☑︎ 馬ハツチップス〈1個約1.5g〉(小型犬3〜5個|中型犬5〜8個|大型犬7〜10個)


☑︎ 焼き麩(小型犬3〜5個|中型犬5〜8個|大型犬7〜10個)


☑︎ 豆の水煮(小型犬大さじ1杯|中型犬大さじ3〜5杯|大型犬大さじ7〜10杯)


☑︎ 鶏肉の水煮(小型犬50〜70g|中型犬140〜160g|大型犬200〜230g)


☑︎ 乾燥野菜(乾燥状態)(小型犬小さじ1〜2杯|中型犬小さじ3〜5杯|大型犬小さじ4〜7杯)


☑︎ トマトジュース(小型犬大さじ1〜2杯|中型犬大さじ3〜5杯|大型犬大さじ7〜10杯)


☑︎ 水(小型犬50〜100ml|中型犬100〜200ml|大型犬200〜300ml)

※今回はラナが普段おやつとして食べている「馬ハツチップ」を食材として活用しましたが、普段食べているお手持ちのジャーキーを使っていただいてOKです!(その際は、おおよそ小型犬4.5〜7.5g|中型犬7.5〜12g|大型犬10.5〜15g)
※小型犬5キロ・中型犬15キロ・大型犬25キロで換算。
️※成犬・アクティブな犬へ向けての分量として基本レシピをご紹介しています。

作り方

1. 【準備】馬ハツチップ、乾燥野菜、焼き麩を同じ容器で1~2時間水で戻します。(戻し汁は捨てずにとっておきます)

2. 全ての食材と戻し汁を鍋に入れ、弱火から中火で5~8分程煮込みます。

3. 器に盛り付け完成!キッチンばさみで必要に応じて食べやすい大きさに細かくしてください。冷めたら、さぁ!召し上がれ♪

災害時の貴重なタンパク源にジャーキーなどを活用!


災害に備えてドッグフードを備蓄している飼い主さんも多いのではないでしょうか?でももし、その備蓄していたフードが浸水などで水浸しになったら・・・?防災力は想像力(イマジネーション力)とも言われています。我が家ではあらゆる被害を想定し、人間の非常時の備蓄品や救援物資の食材を犬たちと食べる場合を考えています。
災害時にはまず人命が優先され、救援物資の輸送も人のためのものが優先されます。人間用の物資は自治体などからの公的なサポートも受けることができますが、家庭動物に関しては災害発生直後は難しいのが現状です。獣医師会や民間の動物福祉団体などの動物救援本部のレスキューは被災から数日後からになります。こういったことから災害直後から私たち飼い主は犬用の食事を確保しておくことがポイントになります。飼い主さんへ人間用として配給される食事はおにぎり、パン、菓子類など炭水化物類が主で肉類などのタンパク質や野菜が不足がちになります。そんなとき日頃のおやつやトレーニングのトリーツとして食べているジャーキー類など、災害時に貴重なタンパク源となります。
商品の裏面にはタンパク質など成分表が記載され各栄養の割合なども知ることができます。ぜひ、チェックしてみてくださいね。

レシピのポイント


・飼い主さん向けのスープは、馬ハツチップ(ジャーキー)以外すべて同じ食材です。塩・胡椒、粉チーズで味付けをすると美味しく召し上がれます。

・割合や量は厳密である必要はありません。あくまでも目安としていただき肉が多かったり、野菜が多くても大丈夫。 その他、愛犬の体質やその日の体調に応じてアレンジしていただいてOKです!

・犬ごはんの基本目安は、<肉&魚類1:野菜類1:穀類(炭水化物)1>です。今回のレシピをこの目安にあてはめると下記のように考えることができます。

・肉 類:鶏肉の水煮・馬ハツチップ(1/3)
・野菜類:水で戻した乾燥野菜(1/3)
・穀 類:水で戻した焼き麩・豆の水煮(1/3)

※豆類は良質な植物性のタンパク源にもなります。必要に応じて適宜調節してください。

ワンポイントアドバイス!「飼い主も犬も災害時に心強い食料品、乾物のローリングストック」3つのメリット


今回は水道や火などを使える状況を想定し、乾物をフル活用した飼い主と犬を守る防災ごはんです。我が家では、食材の備蓄品に食べ慣れている乾物をローリングストックしています。その理由として下記の3つのメリットがあります。

1.食材の種類が豊富で栄養バランスが取りやすい

今回使用した乾燥野菜の他にも切り干し大根や干し椎茸の野菜類、煮干しや鰹節、乾燥ワカメなどの魚介類、豆類など種類が豊富です。レトルトなどは味がワンパターンになりがちですが味や風味、ビタミンやミネラル類など摂取できる栄養素のバリエーションも広がります。
また、乾物は食物繊維も豊富です。被災地のトイレ事情や慣れない環境での緊張から便秘にもなりがちです。乾物は全体的に食物繊維が豊富で便秘対策にも効果的です。普段の食事に取り入れ手軽な食べ方を知っていれば役に立ちます。犬たちもドッグフードだけでなく上記の食材などいろいろな食べ物を食べ慣れておくことで災害に負けない防災力に繋がります。
(※乾燥野菜にはネギや玉ねぎなど犬に食べさてはいけない食材が含まれる商品もあります。犬とシェアする場合は裏面の原材料をよく確認してください。)

2.生ゴミが出ない

被災状況にもよりますが、災害時ゴミ収集に支障が出る可能性もあります。乾物は既に皮を剥いたり切ったりした上で乾燥させたものが多く調理の際にゴミが出ないことも大きなメリットです。

3.保存期間が長い

もともと長期保存を目的として作られた乾物は未開封であれば賞味期限が1〜2年と長く保存できるものばかりです。ゴミを少なくする観点から、我が家では缶詰よりもかさばらない乾物やパウチパックの保存食も常備しています。

ラナからのメッセージ

名前:ラナ
性別:女の子
生年月日:2016年
好きな食べ物:焼きサンマ・ハンバーグ・りんご
好きなこと:ネコのトンちゃんと遊ぶこと。おとーさんとぴったんこして寝ること。

「みなさんこんにちは。ラナちゃんです。みんなは【防災】ってことばを知っていますか?防災ってとっても大事なんだって。ラナちゃんは時々おかーさんが作ってくれた防災ごはんを食べているんだよ。いろんなものを食べて、からだを慣らしておくことはとても大切なんだって。お馬さんのジャーキーが入ったごはんとっても美味しかったよ〜!トンちゃんにごはんを狙われちゃうし、待ちきれなくて思わずペロっと舌がでちゃった。みんなで食べる防災くんれんやってみてね。」


enkara編集部です。今回は、水道や火などが使える状況を想定し、乾物をフル活用した飼い主と犬を守る防災ごはんをご紹介いただきました。乾物やパウチ・缶食材を使っているため切ることがないのでまな板&包丁要らずです。いざという時、自治体などの救援は人間のサポートが優先でありベースです。そのため私たち飼い主は、”犬用の食事を各自常に確保しておくこと”が大切です!いざという時、便利な保存食を上手に活用したいですね。ローリングストックの中に、ぜひちょっと多めに追加して犬を守る防災力をアップしましょう!

[文/山﨑 枝里・構成/enkara編集部]
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